やはり前半が残念だった。失点は相手のクオリティが出たものだが、その前のこちらのプレーがよくない。それはチャレンジだったり、その逆だったり。単純に相手が上手かった、で済ますべきではないだろう。
こちらにも得点チャンスがあり、それをモノにしていればとは思うが、そうなればやはり3点目をしっかり取りにくるはずだ。
後半は2トップにして佐藤と中村がピッチに。ここからはある程度やりたいことが出来ていたので、それは良かったと思う。チャンスはあったが、やはり良いシュートが要る。
終盤には宮市が出てきて、こちらも良かったなと思う。ちょっと面白かったのはこちらの右サイドでロングボールをヘッドでフリックした宮市と、反応したケネディのスピード対決。ほぼ同じような距離にいた2人が「よーいドン」とばかりにボールを追いかけて僅差で勝ったのはケネディだった。まあこれはクリアする側とキープする側での差があるのでDFに有利なのだが、宮市にすればセーブしても勝てると思っただろう。ポジション争いの中にあるケネディにすればアピールする局面でもある。
ケネディはこの試合のアビスパのトップスピードでスタッツリーダー。おそらくこのシーンだ。宮市はコメントで「あえて行った」と言っていたから、それも彼らしいのかもしれない。おそらく筋肉量を増やしているように見えたから、またこれまでと違うプレーも出てくるだろう。
フェイエノールト時代から継続的に注目してきた選手で、圧倒的なスピードでエールディビジを切り裂いていた。あの時には「日本に本物のウィングが出てきた」と思ったものだが、その先にはスピード系の選手に(残念ながら)ありがちなケガとの戦いが待っていた。
イングランドでは輝きも見せたが……。ドイツに渡り着き、ザンクトパウリのようなクラブで愛される選手になっていることは、時折記事で見かけていたが、やはりケガの報道も。そして日本に戻ってきて、プレーを見るようになると、かつて彼に抱いていたプレーのイメージとは異なり、「上手いタイプ」になっていることにちょっと驚いた。
とまれ、ここから調子を上げていけばまた代表招集ということもあるかもしれないし、そうでなくとも見るべき選手であることには変わりない。
すっかり話が逸れたが、アビスパとしてはまた切り替えて、次のホームに向けて高めていって欲しい。ホームらしい結果を期待している。