面白くなってきた

敗戦が続くものの、その中でもこの試合は内容が良かったと思う。チャンスはこちらに多くあったし、相手にチャンスを多く作らせなかった。

アビスパとしては、2トップが起点になってバイタルでのチャンスメイクが出来ていたし、クルークスも躍動していた。シュートは5本あったようだが、湯澤の貢献は見逃せないし、惜しむらくはパスの判断がベターだった場面もあったように思う。周囲の動きがあってフリーになれていたが、実際に良い動きがなされていたらその選手にパスを出すことでより危険な状況を作れるはずだ。もちろん決めてくれるに越したことはないが。

そしてこの試合ではVARでゴールを消されてしまった。PA内でフリーになった山岸がターンしてフアンマとの連携を選択し、リターンが浮いたのを抜群のコントロールで収めてバランスを崩しながらコースを突いた。このフィニッシュが秀逸だったし、2トップで完全に出し抜いたということも良かった。スタジアムにいたサポーターには何が審議の対象になっているかわからなかったが、OFR無しで取り消されたので「はっきりした何か」があったことだけはわかった。そして当然帰宅してから問題のシーンを確認するわけだが、結局どう見ても当たっているようには見えない。当たっているように見える角度はあっても、実際の手の動きとボールの挙動に関連性が見られないのだ。当たっているように見えるのは腕とボールが前後の関係にあるもの。しかし真横からの映像では当たってないし、当たっていればボールの回転に変化が出るだろう。明確なものは放送でも示されることもなく、違和感しかない。当たっているのと重なって見えるのは同じじゃない。あまりに微妙な判定でOFRでも答えが出そうにないし、あれで取り消されたと知れば確実にベススタは荒れただろう。そこまでしてホームチームの得点を消すものなのか。

終盤には狙っても出来ない絶妙なディフレクションからパトリックがゴール。試合後のインタビューでは優しい気持ちにさせてくれた。

最終盤では怒涛の攻めを見せたが1点が遠い。いつもの逆を見せられての敗戦はもちろん悔しいが、スタジアム観戦を楽しめたのも事実。あのシーンでは本当に喜んだし、あのスタジアムの雰囲気も素晴らしかった。ゴールは取り消されたが興奮は味わえたのだ。

またしばらく中断ということで、コンディションを整えて、より連携を深めてほしい。チームとして闘えることは証明されたので心配はしていない。

普通に面白い

やはりレベルの高いチームとの試合は観ていて面白い。加えて相手には實藤や仲川もいて、福岡在籍時のプレーとの比較も楽しみにしていた。まあ残念ながらサネの方にはあまりプレー機会を与えなかったようだけど‥。

仲川の方は惜しいシュートもあったりして得点の匂いもしたが、村上の好セーブもあったりでノーゴール。もちろんその方がいいのだけど、彼がPKを獲得したりすると昔を思い出すことになっただろう。相変わらずスピードとアジリティに優れた選手だなと思う。ただ、この試合の主役はオナイウ 阿道だった。1失点めは残念な形だったが、2点目はカウンターを受ける状況で対応が遅れ、フリーでクロスを上げられるとマークを外したオナイウが素晴らしいヘディングでゴール。後半にもヘディングのシーンがあったが、相当強く打てる選手なのがよくわかった。

とにかく個のクオリティだけでなく、チームとして攻守にハードワークするチーム相手なので、アビスパにとって厳しい内容になるのは仕方ない。その中でどう振る舞うかなのだけど、良い場面も少なからずあった。あと少しのコンビネーション、クオリティでチャンスも増えるはずだ。中断前にもう1試合あるので、また良い準備をして結果に繋げてもらいたい。

熱量

相手が強かったと言えばそれまで。実際、浦和は前回の対戦時とは別のチームのようだった。中継でも実況が触れていたように、シーズン後半からのパフォーマンスにフォーカスを当てていたということで、なるほど色々と歯車が噛み合ってきているのがわかる。昨季J2で見知っていた小泉や明本が躍動しているのは印象深い。明本に至ってはSBにコンバートしているが、あの運動量を思えばその配置もうなずける。

小泉のはスーパーであれは仕方ない。試合を通して前とのマッチアップは見どころになっていたが、あのシーンは直前にマークをはがしながら良い位置で受けたことが大きかった。琉球で見ていた頃はまだ粗さや線の細さが見て取れたから、センスはあるけど1部ではどうなんだろうと思っていたけど、どうやら洗練が始まっているような印象を受けた。

ユンカーという強力なターゲットを得て、さらに強力な補強がなされた浦和はシーズン後半の最大の注目クラブになった。そういうチームに対してよく闘ったとは思う。相手の出来の良さに苦しんでいたけど、前半はよく耐えたなと感じていた。後半は好感の持てる時間帯があり惜しいチャンスもあった。ただ交代を重ねるごとに何かが欠けていくような印象があり、セットプレーで失点。明本はさすが元FWだなと。

種を蒔いている時期なのだなとは理解しているが、その前の熱量が不足しているのかもしれない。キャプテンを先頭に闘っていたが、彼のように発散できている選手は少ない。幸い次の試合まで時間がある。また良い準備をしてほしい。

上位対決

良い試合だったと思う。結果は残念だが、相手ともに良いプレーもあって強度のあるものだった。

やはりイニエスタについて触れることになるが、運動量は少なくてもポジショニングの良さで守備面でも貢献しているし、オンザボールでの安定感は流石としか言いようがない。いつものあのスッと立った体勢で周囲を見回し、危険なところへボールを運ぶ。ちょっとした動きがフェイントになるから、時間が作れるし周囲も動きやすいだろう。彼がベススタでプレーしているのを観られるのも、昨年のチームの頑張りがあったから。ちょっとしたボーナスステージの趣も感じられたが、試合自体はとても引き締まったものだ。そういう試合だからイニエスタのゴールもまた光るのだ。フットボールファンとして「良いものを観たな」と思っている。

クオリティの高い選手が揃う神戸相手に全体としてよくやっていたと思うが、やはり早すぎる失点が悔やまれる。酒井のクロスは素晴らしいがアレは触って欲しかった。ただしこれも早い時間帯で追いついたことは良かった。天皇杯でもあったが、クルークスの左からゴールに向かうクロスに反応してGKとの駆け引きに勝った山岸がゴール。本人はあえて「触ったかどうかわからない」と言っているようだが、あの足が出ていなければゴールにはなっていないだろう。

残念なのは28分くらいのプレーで、山岸がスイッチを入れてこちらの左サイドの高い位置で奪ってからのショートカウンター。メンデスのシュートからこぼれたボールを重廣がシュート。決定的といえる状況を作ったが枠外へはずした。狙った形だけに惜しまれる。前半で逆転していれば、またひとつの成功体験になったはずだ。

杉本のハンドは仕方ない。その前の交代策は大胆なものだったがあまり状況を好転させるものにならず、押し込まれる時間帯が続いたことであのようなシーンに繋がった。

試合後はスペイン人プレーヤーの輪が出来たり、山岸と古橋が談笑するシーンも観られた。おそらくそうかなと思っていたが、やはり岐阜で2018年にプレーしている。山岸のアシストで古橋がゴールを決めたりしている映像も観た。ちょっと面白いのはこの年に岐阜は水戸相手に4-0というお祭りのようなスコアを出している。山岸が2ゴール、古橋1ゴール。古橋のゴールはPKで山岸が譲ったとコメントしている。それで彼は5試合連続ゴールというクラブ新記録を達成したということだ。さらには今や代表選手。そして‥水戸には前がいて指揮官は言うまでもなく長谷部さん。3年前のことだが、随分と様変わりしたものだ。山岸も古橋が先に決めたので期するところもあったかな。そういう意味でも良い試合だった。

また一つのクリーンシート、一つの先制にこだわってシーズン後半に向かって行ってもらいたい。

課題

この記事を書くにあたってパッと思いついたのがコレ。そして選手の試合後のコメントを読むとまさにコレについて語っているので、そうだよなと思う。

こうして自分たちより下位にいるチームから対策を練られて、強度を持って向かってこられると当然難しい試合になる。しかしそれ以前に、前節もそうだが、プレッシャーの緩い状況でのクロスからの失点というケースが続いている。そのための工夫というものを攻撃側はするものだから、ある程度は仕方ないにせよ、である。

2失点めにしても「人はいるのになあ」という取られ方。ツキがないとも思うけれど。ちなみに似たようなカタチで東家が今治で得点している。ハイライトしか見ていないが、どうやらトップ下での起用らしく、チャンスもつくっていたから報われたなと思う。藤枝の惇も自らフィニッシュに絡んだりしていたので、二人ともまた新しく求められるプレーを模索しているのだろう。

さてしばらくリーグの試合はなく来月の19日まで間が空くことに。これを良い時間にして、新しい課題に取り組んでもらいたい。あまりアレコレ手を出してとっ散らかってもダメだが、より強くなったアビスパを見たい。そしてそういう姿勢を見ることがこちらの楽しみでもある。良い試合でシーズン前半を締めくくってほしい。

11戦不敗

連勝中のこちらに対してスペシャルな対応をしてくる、というのは昨年もあったことで、そうしたことを思い出す前半の横浜FCのパフォーマンスだった。ミッドウィークでそこまでやるのかと感じたし、アビスパにとっても虚を突かれた格好だろう。失点したシーンは軽いプレーがあったが、実際のところよく対応していたと思う。前半で追いつくことができたら良かったなとは思うが、後半のどこかで流れをつかめるだろうと感じていた。

うまくいかない中でも強度をもったまま90分というスパンでアビスパは結果を出してきたわけで、相手にしてもあの内容が90分続くことはないのは間違いなかった。後半はFWが孤立することもなくなり、相手の出足も鈍ったあたりから雰囲気を掴んで、とうとう同点に。あのシーンは相手GKが判断を迷ってファーの山岸をケアしようとしたのだと思う。そういう意味で2トップの位置どりは良かったと言える。ただしメンデスの高さが光り、2試合続けての得点になった。交代策については長谷部さん本人も振り返っているが、個人的には違うものを期待していたりしたので、結果が出なかったことは残念だ。

でもこれからを考えれば良い試合、内容になったとも思う。より良くなっていくための肉付けと洗練が求められるということだ。昨年の12連勝もミッドウィークの引き分けで止まったが、切り替えてその次はまた勝っている。期待しよう。

6連勝

凄いなと素直に思う。失点はやや不運なものだったし、その後のPK失敗もあって流れは悪いように見えた。交替策は注目していたが、渡を下げてフアンマ、金森をクルークスにということになった。ここはあえてメンデスを残したと見るが、ビハインドの状況でより攻撃的な布陣を選んだとも言えるだろう。

やるべきことがシンプルになったことでゴールへの意識が格段に増していく。杉本などは中央に入ってフアンマとの連携を見せる。CKの数も増え出して明らかにゴールへの距離は縮まっていた。湘南にとって長身の選手が多いアビスパは相性の悪い相手と言えるし、そのストロングポイントを活かし切ることでアビスパは優位に立てる。とは言え見事な得点だったね。

両方ともエミルの右足のクオリティが光るし、何よりメンデスが取ったことが良かった。2人に挟まれながら完璧なポイントに入って速いボールにうまく合わせた。2点目は奈良がまず駆け引きをして、ニアに入ったメンデスにこれまた完璧なボールが供給されてドンピシャのヘディングを相手GKははじくしかなかった。ファーでするすると上がったグローリが押し込んで逆転。

その後は安定した闘いを見せて終了。実際のところ2失点めもありえたが、最後のところで弾き返すことが出来ていた。それにしても終了間際の谷のヘディングは凄かった。あれが枠にいってたらと思うとね‥。彼はガンバからのローンで去年から湘南に来ているようだが、あのPKのときの振る舞いといい、身体能力といい、楽しみな選手が出てきたな。

さあ次はミッドウィークということで、また整えて良い闘いを見せてほしい。