第4節終了 勝ち点5

こうなると横浜FM戦での勝利がより大きなものに感じる。失点が続いているし、似た形のものがある。そんなことは言われるまでもないだろうが。だからまあ、そこは相手も常に考えてきているということだ。

新戦力に関してはまだ特筆されるものはない、こともなくて、岩崎については同姓の選手が2人入ったのかというくらい、どこにでも顔を出しているのが印象的だ。前線については、ナッシム ベン カリファが出られないようで、まだこれからではあるだろう。紺野については2年目ということもあり、全体としては物足りない、くらいは期待の裏返しとして言っておこう。

シャハブ ザヘディはそれこそまだまだだろうが、早くも得点に絡んだことは評価されてしかるべき。あの得点は基本的に彼のゴールと言ってもいい。特殊なケースでの獲得なのはともかく、Jリーグ初のイラン人選手を見られるのはかなり楽しみだ。ダエイ、カリミ、マハダヴィキア……。ついついあの頃の上手くて、強くて、ズルくて良い選手たちが思い返される。おっとアジジを忘れてはいけない。

重見に関しては新加入とは思っていないくらいだし、確実に上昇してきているのが頼もしい。まあ繰り返しになるが始まったばかりで、ホントこれからだと思う。松岡もいつかスタメンがあるだろうし、若い選手同士でのコラボレーションも期待したいところだ。

代表ウィークに入って、これはこれで良いタイミングだったのかと。これまで出てこなかった主力クラスが戻ってこられるか。期待しよう。

サッカー日本女子代表(a.k.a なでしこジャパン)とJリーグ 2024シーズン開幕

2月については、中旬以降は女子サッカーのことばかり考えていたように思う。対北朝鮮戦の成り行きが良くも悪くも面白かったからだ。面白い、とは勝ったから思えるわけだが、試合内容についても申し分ない面白さだった。

もともとアウェーがどう開催されるのかは注目されていたが、平壌開催が正式に決まったという発表がなされないまま日程が迫ってきて、直前で中立地の可能性が出てきた。サウジアラビアでの開催の可能性がまず情報としてあり、その後、大連の情報も出てきた。その位置関係からは、どちらが誰の意向なのかが伺えたが、結局サウジアラビアに。

笑えるのは、サンスポが「北朝鮮はロシアで合宿し、カタール開催を希望している」とかいう飛ばし記事を出したことで、こいつらがどれだけク○なのかがよくわかったね。実際には、北朝鮮は「中国の南方」で合宿をしていたそうで、開催に向けても中国の協力を仰いだが、そうならなかった。春節と被ったからという憶測もあったようだが、まあよくわからない。

そんなこんなで北朝鮮女子チームはほぼ丸一日かけて陸路北京入りし、そこからは空路。こういう時だと注目が集まって、移動中のチームの様子などが映像として報じられるので、かなりレアだった。

試合となると、わかっていたことだが球際の強さだけでなく、オンザボールでの技術もあって非常に厄介な相手だった。ただし拮抗している対戦ではクオリティが必要になるし、その絶対値は日本女子が優っていた。だから相手を見定めた2戦目で顕著になり、危険ではあり続けたが、勝利は順当と言えるものだろう。思っていたよりもクリーンなゲームになっていて、そこも面白さの一因だ。緊張感のあるとても良い試合だった。

クオリティという点では、やはり山下杏也加のスーパーなセーブが光った。あれは凄かったね。本人はインタビューで「(あの瞬間で)止められることを確信していた」というから、優れたGKというのは本当に有難いものだ。

そしてその山下から週末に再開したWEリーグでゴールを奪った清家貴子のシュートも凄かった。女子サッカーは面白い、ということはあらためて触れておきたい。

 

福岡vs札幌の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年2月24日)

https://www.jleague.jp/match/j1/2024/022403/live#recap

横浜FMvs福岡の試合結果・データ(明治安田J1リーグ:2024年3月1日)

https://www.jleague.jp/match/j1/2024/030102/live#recap

さてアビスパ。まあまだ何かに言及するのは避けたいところで、金曜日に暫定1位にもなって、2節終了時には早くも全勝がいなくなった。そして、無失点はアビスパのみとなった。金曜夜の真裏では4対5というロクでもないスコアの試合が行われていたりもする。面白い。

次節はまた面白い対戦になりそうだがどうなるか。楽しみだし期待しよう。

2024シーズン

興味深いシーズンになりそう。「クラブ史上最高の成績の後」というのは、本来なら意識されるべきではないが、まあ無理だよね。むしろ、変わったはずの景色をどう受け入れるのか、が気になるところだ。

良いイメージ、メンタリティ、経験値。獲得されたものを維持するのか、それとも面倒だと手放してしまうのか。そこは見届けたい。

2020シーズンから取り組まれてきたドラスティックな変化を好ましく見ていたし、より正しい競争がなされるようになっているのはピッチで示された。そういうことは既に触れてきたわけで、その先にはタイトルがあったということになる。見たかったものは、やはり見たいと思える選手たちで成し遂げられた。それが嬉しかった。

去るものもいたわけだけど、良い選手が高い評価を得て移籍するのは当たり前のことだ。そういう選手がいたからこその昨季があったのだし、これはこれで興味深い移籍になった。もちろん山岸のことで、彼が名古屋グランパスでどう活かされ、且つどう活かすか、は楽しみである。ユンカーのことはもとより、パトリックという存在も加わって、より幅のある構成になっているのが良いなと思う。

山岸はメディアへの露出など、いわばフロントマンとしての活躍もあったわけで、そこも抜けた穴になるのかどうか。彼は「アビスパのユニフォームに星をつけたい」と事あるごとに発信していて、それが彼だけのものでは無いにせよ、そのための振る舞いをピッチで見せていたと思う。だから見事だったなと言う他はない。

それにしても名古屋サイドはルヴァンの対戦の直後くらいに声をかけていたとのことで、それは実に早い対応をしたなと思う。というか直接対決がもうないというタイミングを待っていたのかもしれないな。そういう評価を名古屋のようなクラブから得ていたのかと。凄いね。

その他の出入りに関しては想像通りだったり、そうでなかったり。半々かな。まあ水準が上がってきたことは間違いない。さあどうなるか。

2023最終節、そして表彰

好調同士の対戦ということで、スコアはもっと動くかと思っていた。しかしそうはならずにATで惜しい失点があり、そのまま終了。途中まではとても引き締まった良い試合だったが。まあ、今季の経緯を見続けていれば、これも頷けると言えばそうだし、指揮官は信じるだけだろう。それにしても永石は凄かったね。

広島とすれば明確に山岸をどれだけ封じるかを重要なタスクにするわけで、それは実際どの試合でもそうだ。しかもわかりやすく狙われる役割なので、厳しい立場でもある。その中でリーグ戦全試合に先発し、最終盤のここ数節でもほぼフル出場していることの重みを感じる。そして、今季のJリーグ 優秀選手賞に選出された。おめでとうと言いたいし、素晴らしい成果だ。とりわけFWからの選出に価値があると思う。

井手口や奈良についても良かったなと思えるし、長谷部さんに関しては、優勝チームを除いた中での「最優秀」だったと。月間での受賞が2回あったが、やはりタイトルというのは目に見えて評価の後押しになるということなのかな。これらもまたアビスパ福岡の歴史に刻まれる。

ほろ苦い最終節になったが、この試合だけ見ても十分評価できるものだ。そしてアビスパにはまだチャリティマッチが用意されている。選手は大変だろうが「この対戦がどうなるのか」は単純に興味がある。期待しよう。

ファイナリスト対戦で勝利

やはり難しい試合だったと思う。と同時に面白い試合でもあった。もちろん勝ったからということなのだけど、パフォーマンスを落としていないアビスパと、ケガ人や体制のことなどでの問題を抱える浦和の対戦は、先日のルヴァンカップ ファイナルのアングルもあり、どうなるかと事前に思っていた。

それはまず、アウェイの埼スタで今のアビスパがどう振る舞うか、という興味がまずあったわけで、それは杞憂に終わった。それこそ先日の国立での経験が活かされたのかもしれないし、動員数を見渡すまでもなく、ポジれるところは利用するしたたかさも獲得しているだろう。

失点は良くないが、その後での前半内での同点がやはり大きかった。ある程度狙った形のアレンジがあって、山岸の狙いがあの状況に見事にハマった。ズルいポストとダイレクトなスルーパスの流れが紺野のゴールを呼び込む。ループを打てるバウンド含めて見事なアシストだった。これはこちらの考え以上に相手にダメージを与えたようで、1点以上の価値があったのかもしれない。

後半の2点も素晴らしく、特に「3点目」というのは大きかった。強いチームの取り方に見えたが、そこは明確な狙いがあってのことだろう。

残念ながらこの後に失点してしまうが、そこは見ていて同点もありうるなと思えるものだった。

これで6位ということになり、次の最終戦は浦和と入れ替わっての3位の広島。最終戦を上位対決で迎えることになり、またこれまでと違う対戦を見られれば良いなと思う。もちろんホームでは勝利が求められることになるので、期待しよう。

最終盤に向けて

ガンバは外国籍の選手が軒並み負傷や出場停止ということだったが、それをあまり感じさせない。もちろん攻撃面、とりわけフィニッシュに絡む高いクオリティが薄れたと言えるのかもしれないが。

しかし鈴木武蔵で十分に効いていたわけで、彼の今季を追いかけていたわけでもないが、スタメンが7か月ぶりというのは意外である。

そういう相手に前半は苦しんだし、あの失点はいつか来た道だなと。そして永石は反応していたが味方がブラインドになるというね。

ややふわっとした前半が終わって、そして後半の入りでスイッチが切り替わる。アビスパは、円陣がほどけてからキックオフまで、ややラフに見えるほど早く始めてザクザクと進んでいく。

左サイドのスローインからの流れはうまくいったようにも思えないが、前嶋がなんとなく取り返して中央へ。中央で紺野がフリーになっているところへ早いパスをつけて、3人目の山岸が駆け引きを制してニアに送り込んで同点ゴール。2年連続二桁を達成した。PKのことはもはやネタになりつつあるようだけど、試合には勝ってしまう。

ルキアンが久しぶりに出場し、田代の気の利いたクロスがゴールに結びついた。ここではガンバ側の落胆が目について、まさかという逆転ゴールだった。相手にすれば、山岸、ウェリントンがいる以上、ファーサイドを意識させられるところのスペースにルキアンがハマって、そこは田代も感じていたのだと思う。ラッキーがあったとしても意図は感じられた。違うかもだけど笑。

これでリーグ戦の連敗を止めて、また最終盤に向けて良い流れが出来たのではないだろうか。次は中断期間後に浦和ふたたび、ということでこれはまた面白い対戦だと思う。期待しよう。

ルヴァンカップ ファイナル ☆

前の投稿で「願うのは勝利だけ」などと書いたが、実際にそうなってしまうと強い喜びよりも「マジか……」という気持ちが先にあったのは不思議な感覚だった。驚きというより非現実感寄りのものだ。そうして夜になって、しみじみ良かったなと感じられた。

それにしても良いパフォーマンス、面白い試合だった。前がシャドーで守備的な印象を持ったスタメンだが、その前がたった5分で先制点を取るとは思わない。紺野のあのコースへの早いグラウンダーも同様に。だからこれは用意されたものだと感じたし、実際そうだという。湯澤のオーバーラップも少し効いたかもしれない。

この時点で「長谷部スペシャルは用意されていたのだ」と知る。だからと言って、それがゴールに直結するにはクオリティが要るわけで、そこは紺野や前が良いプレーをしたということだ。

追加点のシーンはCKの残りで紺野が左サイドにいて、利き足のグラウンダーを、これもレフティの宮に当てた。開始直後、前半ATという理想的すぎる点の取り方だったが、試合全体で振り返ると先制点が決勝点だったと言えるのかもしれない。それを狙って取った。

全体としては、ボールの取り方が良かったと思う。そこも準備したものがあったのかと。「別物」としてセッティングされたものがある中で、山岸はいつもより周りを活かす振る舞いだったかと。そして攻守で期待されたものをそのまま表現していたように見えた。PKは残念だが、独特な雰囲気の中で、その場に立った者にしかわからないことがあるのは間違いない。

このファイナルの戦い方はこの1試合だけのことでなく、今季のこれまでのアビスパのマイナーチェンジの中で仕上がったものだ。そして素晴らしすぎる成果を得た。ここもまた面白い。4バック、3バック、5バック寄りの3バック。2トップ、1トップ、その役割とバリエーション。続出した主力の負傷による影響の中で工夫を重ねてあの形になった。だから良すぎるくらいのタイミングだったと言えそうだ。

加えるなら、シーズン当初に期待された井手口と紺野が離脱。結構長いものになったが、ここにきて期待されたものを発揮して、コンディションもいかにも良さそう。そこもちょっと面白い成り行き。

あとはルヴァンでの永石も。今季のGKの起用方、システムみたいなものを崩すことでストーリーになった。

そういういろんな流れがここに集約してチームとしてファイナリストの顔になり、そして勝った。勝ち切った。

試合前の露出、そして何と言っても優勝後の記事の量。もちろん試合内容について分析しているものが多いが、「そこ」までには色んなことがあったということだ。それを言い出せば「遡ること2020年」までになるが、さすがにもういいか。

リーグは続くが、とにかく優勝おめでとう、そしてありがとう!