Just do ...

クラマーさんの講演に行ってきました。感想としては、まず彼のような偉大なフットボールコーチと同じ空間を共有できたことに意味がありましたね。そして、その話の内容も示唆に富んでいて、いくつかのキーワードにはハッとさせられましたよ。
  
話の内容は序盤が観念的なもので、通訳の方にとっては大変な試練だったのでは‥‥。(まあその辺は後で賀川さんの補足があり納得するにいたるのですが)
彼の経験を1時間かそこらに凝縮するには、ああいうアプローチがあるのかもしれませんね。あそこまで極めた方であれば、細かな技術論よりも長年に渡って純化された思想そのものを語った方が相応しい。
彼にかかればリティは小僧っ子であり、アビスパの選手たちは赤ん坊のようなものなんじゃないかな。まあ赤子であれば、同じ過ちを繰り返すのも仕方ない‥
  
彼が日韓W杯の際に来日していた折の講演内容で、とても興味深いものがあるので引用します。


 サッカーは技術、戦術が重要視されていますが、私は基本的に感情が大きく左右するものだと考えています。
 ドイツの古い習しに「目は本来、盲目である。耳は本来、聞こえないものである。筋肉は動かないものである」という言葉があります。
 全てを司るのは頭(脳)であり、目を見えるように、耳を聞こえるように、そして筋肉を動かしている。脳そのものが自分を元気にも病気にもする。
 高跳びの選手は、目を閉じて自分が飛んでいる姿を頭に思い描くことが大事だといわれます。テニスでサーブをする時も、サーブが決まる様子を思い描く。頭の中で「自分はできる」と思い描き、それを信じ、実行できるようになることが大切なのです。
 トルコ戦においても、大切なのは技術や戦術ではありません。自分が勝つのだと信じているチームが明日の試合を制するでしょう。「やりたい」と思うなら「できる」のです。
そうなんですね。大切なのは「自分たちのやり方」という手段ではなく、あくまで「チームの勝利」という目的なんです。「自分たちのやり方」「攻撃的な姿勢」をアリバイに楽をしているヤツがいたら、そいつは「戦えていない」んですよ。
より「勝ちたい」と思った方が勝つ。それだけのことなんじゃないかな。目的のために粛々と仕事を遂行する‥‥、ドイツってそんな感じ。アツいんだけど頭の芯は冷えていて、ここぞというときでも狙いはハッキリしているようなね。
あ〜、あまりアビスパのことには触れるつもりはなかったんですが‥。次、行きましょう。
  
ところで話は変わるんだけど、これに触れないわけにはいかない。
とうとうあのナダルがクレーでフェデラーに負けた!ということ。
先週のダビデンコ戦あたりから、そろそろあるんじゃないかと感じていたんだけど、それでも最後のセットはダンゴなんてねえ。いくらかの予感はあったものの、その予感は1stセットで霧散してしまっていただけに、驚くほかはなく、ともかくもあの歴史的な瞬間を観れたのは良かった‥。
これでローランギャロスがより面白くなるのかもしれない。