2024 SheBelieves Cup

日本女子代表(a.k.a なでしこジャパン)は、期待していた良い結果は得られなかったが、良くも悪くも現在地の認識を深めることになったなと思う。そしてオリンピック本選に向けたメンバー選考もほぼ決まってきた印象だ。

はっきり言って、勝ちにこだわった2試合だったとは思わない。それはスタメンや交代策に現れているし、そこで試されたこととピッチで示されたものを見渡せば、どういうコアメンバーで戦うべきかが察せられる。

それにしてもアメリカ戦は凄かった。会場のクオリティ、規模、記録的な入場者数、観客の反応。親善試合のそれではなく、去年のW杯でのオーストラリア代表の試合のような盛り上がり。完全なアウェーで、これまた記録的なゴールが飛び出す。

清家貴子の開始30秒でのゴールは、アメリカに限らずどの強豪国にとっても悪夢のような、最悪を更新するものだ。

その後プレッシャーを受け続けて同点に追いつかれて前半を1-1で凌ぐ。「凌いだ」が相応しいが、これをポジティブに捉えることもできるのは、アビスパを見続けているおかげだ。池田太はあらためて古巣でもあるアビスパの試合や練習を見るべきだと思うけどね。2試合ともそうであったように、守備ベースの展開が本選でも予想されるだけに、守備への意識をより肯定的にチームに浸透させるべきだ。

ただし現状でもその片鱗はあるわけで、あとは共通理解を深めることだ。カウンターやフィニッシュへのクオリティは十分あるので、適切な選手が正しく配置されていれば、ブラジル戦でも勝てたかと。

ここまでテストに徹していたのはむしろ好感が持てる。ただし最終的な18人の選出の内容によるが。本選までにテストマッチは予定されているようだ。そこでの戦い方で本選の姿が見えてくるはずだ。