2連続ドロー

シャハブ ザヘディの順応が進んでいる。しかしそれはチームに対してというより、自分のスキルを幅をもって発揮してくれているという印象だ。そしてそれがとてもうまくいっている。その先のステップを求めるには、周囲のクオリティの向上が必要になってくるだろう。

まず名古屋戦。スコアレスだが緊張感を常にともなう試合で面白かった。残念ながら山岸が欠場ということで、最も期待したものを見ることはできなかったが、ケネディはフル出場でやや劣勢のホームチームを助けていたと思う。彼は開幕から全試合先発フル出場を継続しているようで、最初の3連敗を経て、その後は4勝1分、うちクリーンシートが2。特別何か向上したというよりは、いわゆる安定感が増してきている印象だ。まあポテンシャルを活かせているというべきか。シュート数などから言えば勝つべきだったとは感じたが、これはこれで良かったのかと。

そして広島戦。こちらはより緊張感のある、強度の高い内容になった。相手は好調を継続しており、昨年の対戦のイメージを思えば、劣勢になることをこそ予想できた。しかしここでシャハブが見事に前線の脅威になっており、素晴らしい先制点をチームにもたらした。

名古屋戦でもクロスバー直撃のヘディングがあったので、基本的に彼は決定的なフィニッシュを毎試合続けていることになる。だからこの試合でのあの強烈なゴールは、アジャストした成果と言えるだろう。言うのは簡単だが。

来日して出場5試合で3ゴール1アシストか。他所のチームであればそういう外国籍選手が現れることもあると知っているが、それをアビスパで見られるとはね。あのゴールも相手にすれば仕方ないくらいのもので、クロスも良かったがやはりシャハブの駆け引きと技術が優れていた。ちょっと面白いのはアシストした湯澤の喜びようだったりするのだが、まあ良くやったと言うべきか。

気になるのはクロスの蹴り方で、なぜスライディングを選択したのかがいまいちよくわからない。だからそれに合わせた方がやはり凄いなと。湯澤は名古屋戦でのシュートもスライディング気味に蹴っている。なんだろうね。

あえて言うなら、その後の早すぎる失点はもったいないし、良いセーブがあればと思えるシーンだった。

調子を落としている選手もいれば、ケガ人が戻ってきたりで、また次が楽しみになった。期待しよう。