執念=結果

優勝を狙うチームの重圧と残留をかけるチームの重圧。実力差から言えば「勝たなければならない」ガンバに対して、こちらは「向かっていくのみ」。
そんな図式がなりたつな、と思いながら博多の森へ向かったが、果たしてその通りともいえる内容、結果だったね。
2006 J1 第32節 福岡 vs G大阪(博多球
  
開始3分そこそこで失点してしまったが、その数分後に追いついた。これが出来たことがすべて。イーブンの状況でこそ力を発揮出来るのが今のアビスパだとしたら、たった1点のビハインドがとても大きく感じられてしまう。でも実際には前節の川崎戦といい今節といい、優勝争いをしているトップクラスのチームに対して押し返すことが出来ている。そういう諦めない気持ちや、闘争心が、もっと楽な状況で発揮出来なかったのかと悔いても、今さら詮無きこと‥。
  
さて、失点シーンは席から遠いサイドだったからよくわかっていないが、例によってGKは見送るだけだったよね。どういうパターンに弱いかがはっきりとしているシーンだったと思う。ただ、ガンバはやはり強くていいチームだとあらためて思った。ボールはよく回るし、ポジショニングも的確で、あまり運動量が多いように見えないのは予備動作に優れているからだろう‥。そしてシジクレイはまったくもって素晴らしいDFだ。アイツさえいなければ‥!
それでもウチの左サイドは、最近ではリーグ屈指の圧力をもっているから、前半は多くの場面でチャンスを作り続けたけど。誠史とアレックス、そしてもう一人の誰か(ホベルトが多いかな)のトライアングルで縦にもゴール前にも行ける形を持っているのがいい。今はアレックスのコンディションがいいんだろう。それがリーグでも屈指と思える働きに繋がっていると思う。比べて誠史はやや下降気味かもしれない。ただし彼には強烈なメンタリティがあるから大丈夫。
  
得点シーンは、そんな左サイドからエリア内に入ったアレックスが低く抑えたシュートを打ち、それがGKにとって嫌なコースにいったところで技有り。そして判断に優れた薮田が誰よりも速くこぼれ球に反応して合わせて「一本」。いい形をつくれてもフィニッシュで苦労することが多かった前節の鬱憤を晴らすようなゴールだったね。いい判断とプレーの質が両立すればどんなチームからも得点を奪えるし、そのチャンスは必ずくるということ。これは残りの試合でも肝に銘じて欲しいことだと思う。
  
試合全体では前半はまだ良かった。だが総じていえば1-3でもおかしくなかったと感じた。守備陣は完璧に崩されることがあった(ミスに起因するものや、単純な力負け)が、ああいうこともある、それがフットボールなんだね。面白いよ。あの崩されてからシュートを打たれる時の目を覆いたくなる感じといったら。(そしてそれが外れていくときの可笑しさといったら)
何がいいたいかと言えば、つまるところ不確定要素に満ちたこの競技においては、ビビった方が負けだということ。ピッチの神様は戦うものにこそ光をあててくれるのだと思うね。決まったと思っても最後の最後まで何があるかわからないんだよね。
  
目標は残留ではなく、チームとしてもうワンステージ上がること。その為には、ただ強い気持ちがあればいい。