ある意味、普段着だった

高い守備意識をベースにした、シンプルで「負けにくい」フットボール
チャンスは生まれにくく、数少ないチャンスも、これまた少ない手数でフイにしてしまい、溜め息がスタンドを覆い、そして自陣での攻防が続く‥
なるほど、これはいつものアビスパで、メンバーやシステムが多少変わっても、その内容はあまり変わらない。ディテールでは開幕スタメンとは異なってはいるけど、それでもよくやってるとは思う。
「今日の浦和は良くなかったから、最低でも勝ち点は欲しかった」という見方もあるだろう。でも、そうさせたのは紛れもなくあのネイビーの選手たちなのであって、たまたま浦和が(特に前の3人が)悪かったわけではないだろう。
首位浦和を相手に“いつもの”フットボールが出来ていた様を目の当たりにし、アビスパの力を再認識した。
  
と同時に、限界も見えた。

最初アビスパの選手たちは、ボールを奪い返されてからの、小野やポンテ、はたまた長谷部といった才能たちが繰り出すレッズの素早いカウンターをケアーするイメージでゲームに入っていったのだろうけれど、時間の経過とともに、守備での高い機能性が自信となり、彼らの次の攻撃をも大きく活性化していったと感じました。
http://www.yuasakenji-soccer.com/yuasa/html/midokoro.folder/2006/06_7_2.html

湯浅さんのレッズ評はいつも見ているわけで、今回は対戦相手のアビスパの守備についても言及し、大いに(?)評価しているようです。ただ、この湯浅さんの評価は、あくまで普段からアビスパを見ていない人の評価であって、ほとんどの識者なら似たような印象を抱くだろう。
そして、また半年後に見た時にどう思うかな。(カップ戦があるが、どうせベストな布陣じゃないでしょ、お互いに)
  
「相手の良さを消す」事に関しては、これはもう自慢してもいいくらいのレベルじゃないだろうか。ただし、基本線は今日のような1トップに象徴される、ゴールに対して後ろ向きなベクトルでしかないのも事実。結果がそうなんだからね。一見さんは「結構やるじゃん、このまま頑張って!」と思うのだろうが、これをずっと、ずーーっと見せられている身にもなって欲しいよ。
このチームは既に守る事に関しては、トップリーグでも通用することを証明したといっていいです。多分。
だから、そこからまた一つ、前に進むべきなんじゃないかな。守備ではあれだけよく動く選手たちが、いざゴールに向かうと躊躇してしまうなんて、間違ってないのか?(いや、動いてはいるけど、守備で発揮される組織力が攻撃では皆無なだけか)
  
あれこれ言ってはみたものの、今日のアビスパの頑張りや気迫には惜しみない拍手を贈りたい。そして、時間は長くなかったものの、有光のプレーにはゴールに向かう姿勢が見えて、嬉しかったよ。