原点

原点回帰と言えるような勝利だった。帰れる場所があることの有り難み、とは大げさかもだが、それが「ホーム」で表現されたのはなんとも嬉しい。

そして、このアビスパの幹になっているフットボールに新加入、とりわけ若い選手が加わっていることが良いなと思う。２トップの一角に鶴野、セントラルに重見くんというルーキーと特別指定の選手がスタメンということで意外性のあるものだと受け取ったが、試合が進んでいくにつれて問題ないことがわかる。

それはチーム戦術の理解だけでなく、個人戦術も備わっているからなのだろう。ただ守備的になるでなく、攻撃面でも効いていたわけで、頼もしいなと思う。たしかに大学のチームが天皇杯でＪのチーム相手に勝つこともあるわけで、強豪と言われる大学には即戦力クラスがいるということだ。

重見くんについては内定が発表された時に軽く調べてみたりもして、デンチャレの選抜だったり、大学日韓（韓日）定期戦のメンバーに選出されていることは知っていたが、プレー自体はまだわかっていなかった。もちろんこの試合だけでどうこう言うつもりは無いが、勝ちゲームにフル出場したという事実がいろいろと物語っているだろう。

鶴野は攻守でアグレッシブだったし、裏に抜ける動きで何度かチャンスになりかけた。良いパフォーマンスだったと思う。そして代わって入った佐藤が仕事をする。

あの得点シーンは山岸のバックヘッドを先に感じていた佐藤がキープできたことがまず大きい。バウンドするボールを２人相手に先に触り続けていたのも素晴らしいが、その結果、森重まで引き寄せられたのが大きい。ここで山岸がフリーになり、ちゃんと感じていた佐藤が優しくラストパスを供給。左足で確実に仕留めた山岸はこれで５点目となった。

ちょっと面白かったのは、ベンチメンバーに走っていって乗り上がるようになった山岸の顔がなぜか苦しそうで、口の動きは「足攣った」だったこと笑。お役御免ということで、この後はケネディを活かした采配で完封。リーグ戦では第３節の柏戦以来ということだ。

次はアウェーの広島ということで、コンディションに差があるとは言え、勝ったことで力強く乗り込んでいけるはずだ。期待しよう。