史上初のベスト4

出場メンバーの発表が通常より30分ほど遅れ、嫌な予感もしていた。そして発表されたものを見て何とも言えない気持ちになった。スタメンは先週の1stレグでの骨格を留めていたものの、ベンチメンバーは3人になり、うち2人がGKということで状況は悪化していたからだ。

とは言え、前線の3人は強力で5バックも問題ない。中央の2人はいかにも非常事態ということだったが、それこそチーム全体でカバーしていたと思う。特にフアンマとルキアンは守備でのバランスに気を遣っていて、そういう振る舞いができていることに軽い感動があった。チームのおかれている苦境に際して、彼ら外国籍選手たちが経験値や競技理解の高さを示してくれていた。

そしてジョン マリ。得点シーンだけでなく最前線で存在感があったし、あの得点はJリーグでは滅多に見られないカタチのものだった。あのスタジアムにいた者だけでなく、中継で観戦していた人たちもあれがチャンスに繋がるとは誰も思わない。ジョン マリ本人を除いて。それが凄いことなのだと思う。槙野とのマッチアップになり、リフティングから裏へ抜けようとするがさすがに簡単には抜かせない。しかし潰されることもなく力強く並走してから切り返しすと、虚を突かれたように槙野は転がって、ジョン マリが内に切り込みフリーに。ルキアンもまさかと思っていたか、もしくはあえてスプリントの距離をとっていたか。どちらにせよ相手のマークを出し抜いて完璧なタイミングで走り込んで冷静にゴールへ流し込んだ。

引き分けでも良かった試合で、しっかりとクリーンシートで終わったことも素晴らしい。ルキアンは「メンバー外の選手たちも一緒に戦った」と新聞の記事でコメントしていたが、試合後のインタビューでの様子も含めてホントに良い選手が来てくれたんだなと、あらためて思う。

さあ、次のセミファイナルは広島との対戦となった。またこれからチームはまずは元に戻り、そして進んでいくだろう。9月下旬の頃にどうなっているかも含め、楽しみが増えたことはとても嬉しい。期待しよう。