J1昇格へ向けて(10/10)

有終、とはこのことだろう。前節で昇格を決めた両チームがプライドをかけて闘い、そしてアビスパが勝った。しかし徳島はJ2優勝を決めた。ある意味幸せなシナリオではある。

立場が変わって向かっていく側になったが、実際に90分を通して攻める姿勢を貫いたのは開幕戦以来かもしれないし、もちろんそれ以上の迫力があったと思う。結局目指すべきものは変わっていなかったのだ。守勢であった徳島もチャンスをつくってはいたが、次第に圧力に押される格好となった。

とは言え、中盤での差し合いは目を見張るものがあり、スピード感のある展開の応酬は首位攻防戦に相応しいものだ。それにしても、こうしてお互いが昇格を決めて最終戦で上位2チームが対戦するということが今までにあったのかどうか。面白い成り行きではあるし、優勝セレモニーが博多の森で行われたのも初めてだよね。「やべっちスタジアム」も仕事がしやすかったのでは笑。

石津はナイスゴール。チームは終盤ではすっかり流れから得点できるようになっていた。今季の厳しい日程でもゆっくりと慎重に前進することを選んだのは良かったし、就任1年目の長谷部さんが見事にマネジメントを遂行した成果でもあるだろう。来季はこれがベースになるので、伸び代しかないと思える。期待したい。

またセランテスのことも。彼が昨季出始めたときは、まだアジャスト出来ていなかったが、日本の2部の力量を知ってからはパフォーマンスを上げてきて、ビッグセーブを連発した。そういうチーム事情でもあったが、見事だったと思う。今季にしても安定したクオリティを発揮して「知っているセランテス」らしいプレーぶりだった。できればまたJで見たい選手である。普通にオファーあると思うけどね。

これからチーム編成でいろいろあるのだろう。これだけの良いチーム、なるべくそのままでとも思うがそうもいかないだろうしね‥。成果を出した社長の言葉を信じて、見届けましょう。