点数

4年前のヤグディンの演技のような感銘を受けなかった。今大会の男子フィギュア金メダリスト、プルシェンコの演技を見て思ったことだ。

フリーを前にミシン・コーチが言ったのは「危険を冒さず、一つずつこなしていけ。あまり感情を込めすぎるな」。教え子の別次元の強さを熟知しているから出せる指示だった。
http://www.sanspo.com/torino2006/figureskating/news/fs2006021702.html

淡々と繰り出される高次元の技の数々。後半の構成はやや盛り上がったが、前半はまさに点数稼ぎマシンという印象。それをあの大舞台で出来ることをこそ賞賛すべきなのだろうが、心情的には物足りないのも事実なので。まあ、単純に「好み」の問題かもしれないので、彼の甘いマスクに魅了されているファンにとっては、まさに「最高の演技」だったのだろうね。
「審査基準の透明性」の名の下に、競技そのものの魅力を失おうとしているのではないか。メダルの色にこだわっていると、つまらない見方になってしまいそうだ。
現実的には、メダリストとそうでない者との差は随分あるのだけど、それを気にするのは当の本人達だけでいい。実力以上の期待をかけて、自滅に追い込むような真似だけは避けるべきなんだ。実力を発揮するだけでも大変なのに。