結果こそが

本当に良かった。お互い勝ちが欲しいゲームで結果を出せたことが全てだろう。

前半の立ち上がりから押し込んでいて、そこで取れなかったから少しイヤな感じはしていた。どっちが優勢かではなく、どちらが多く点を獲るのかの競技なので。

しかしそのチャンスをカタチにしたのは、劣勢にあったアビスパだった。ハンド絡みで揉めてイヤな空気になっていたように見えていたが、それを逆手にとるようにルキアンが動き出して、蹴りやすいスローインが入って山岸がダイレクトで裏のスペースへ出した。強さを発揮してルキアンが少しタメを作り、トップスピードで走り込んだ山岸へ股抜きパス。GKを先に動かして逆をついたパスのようなシュートで山岸がゴール。どうやら後半唯一のシュートだったらしいが、それを決めてくれるとありがたいなと思う。

こういう抜け目のなさはルキアンがブラジル人であることをあらためて思い出させる。また3-4-2-1の時に渡がいると違いが出るのもよくわかるようになった。ただのオプションで無くなりつつあるなと思う。

次もまた難しい試合になるだろうが、やはり自分たちを信じて闘ってもらいたい。期待しよう。

勝点

勝てた試合が気がつけば負けなくてよかった試合になっていた。それは残念。しかし良く追いついたなとも思う。

先制点は見事だった。まさに揺さぶって獲ったゴールだったし、あそこでアシストを選んだ山岸が0.5点で、優しくないバウンドをしっかりコントロールしたルキアンが0.5点。2トップで獲ったゴールだ。そして待望のフアンマの得点もあり、渡も戻ってきたFW陣に幅と奥行きが出てきた。まだまだこれからだろうが、前進していることは間違い無い。

失点に関してはゴラッソは仕方ないにせよ、同点にされたシーンでは「レアンドロがフリーだった」ことが気になる。最初のシュートを永石がファインセーブして弾いたところを狙っていたのは見事だが、こちらにも人がいなかったわけじゃない。

それにしても「強めのスルーパスが事故のようにフリックで落ちてシュート、弾いてシュート&ディフレクション」なんてことがあるからこの競技は面白いんだよね。なんにしても、枠に強いシュートを打てば何かがあるのは間違い無いのだ。

永石のJ1デビューはまさに及第と言っていいだろう。ファインセーブがいくつかあり、良い意味でDFに緊張感ももたらしただろう。なにより競争があるのはとても良いことだ。

次はミッドウィークということで、この気候ではコンディションが最優先になるか。厳しい試合になるとは思うが、良い結果は十分期待できる。

期待と希望

ミラーの配置を選択したアビスパ。立ち上がりが良かったので、得点が欲しいところではあった。前半押し込んでいたのはアビスパの方で、あの失点はあまりにも残念だが、それほど間を空けずにに追いついたのは今後につながるだろう。

志知の見事なクロスの前には、右サイドで奪われかけたのをすぐに取り返して左に展開。これが良かったし、クロスに対して山岸がニアに行くことで中央のマークが1人動いたので、渡がより自由を得た格好だ。もちろんその後ろにフアンマがいたことも重要。

こういう形はあまり無かったので期待感はあった。しかし2失点めでは「またか」と思ってしまうことに。前節でも近いものがあったので、やりたいことの精度がまだ低いということだ。村上の判断も微妙だったが、要するに全体のデザイン、共通理解が甘いのではないか。

結果論にはなるが、ここでベンチは動くべきだったとも言えるだろう。決定的な場面も作ったから悪い判断ではなかったとも思うが……難しいね。

今季の広島が良いチームなのは前回の対戦で十分わかっていたし、連勝中の勢いもある。そういう相手に負けてしまうのはあることだが、とにかく失点の仕方が良く無い。これは修正できるはずのものなので、これからまた整えてほしい。

シーズン前半終了

言うまでもなく最初の点の取られ方が良く無かった。しかし、あの2失点目がなければなと思う。つまりもっと悪い。

ただし後半はまだ良かった。良い兆しがあった。だからここからまた面白くなりそうだ。前半で苦しんだ分を取り返してもらいたい。

プライムステージ進出

見事な敗戦だったと思う。序盤で奈良が負傷交代したが、相手も鈴木優磨が負傷。しかしこちらは相手からのレイト気味のチャージによるものなのに対して、鈴木のは不可抗力だという差はあることは言っておきたい。

鹿島にすれば上田を代表で欠く上に、さらに鈴木までとなるとプランもかなり変わってくるだろう。しかしそこは鹿島なのでクオリティがそこまで落ちるというわけでもない。問題は鈴木が果たしていたリンクマンのような役割が失せてしまうということだろう。それは後半になると余計に表面化したと言えるのではないか。

アビスパにすれば前半で2失点は想定外で、特に2失点目に関しては不運では済まされないものだったのが残念だ。それでも前半ATで見事に崩して貴重なアウェイゴールを得た。

あのシーンはフアンマがサイドで受けて、そこから中に入りつつコンビネーションで、という考えがあったのだろうが、アウトサイドのパスが弱くなって相手に引っかかった。しかしそれがフアンマに返ってくるという格好になって、そこからあえて縦にドリブルで「揉める」ように進んだ判断が良かった。こういうのは経験のなせる技なのだろう。オーバーラップしていた前嶋にオフサイドぎりぎりの形で出して、それに引きつけられた鹿島DFを冷静に見極めて山岸へパス、そしてGKの逆をつくようにゴール右に流し込んだ。

これで優位に立ったわけだが、正直後半もこのままでは済まないだろうと思っていた。それがこのまま終わらせてしまうのだから見事な敗戦と言うよりない。鹿島相手にそれが出来たことは素晴らしいことだと思う。

次の相手はどこになるのかはともかく、そういう舞台でしか得られないものがあるはずなので、この勝ち上がりは本当に重要なものだと思う。ノックアウトステージの緊張感はチームをより成長させるはずだ。

良い状況

「クリーンシートで勝利」好きな言葉です。

美しいロングカウンターだった。この得点についてはアシストをした田中達也と、ゴールを決めた山岸それぞれのコメントがなされた。前者は『やべっちスタジアム』の「ストップ解説」で、後者は公式サイトのコメントで。

現地でも観たが、あの得点の前にもよく似た形があり、そのことは山岸が触れている。そこからのアレンジと質が良かった言うことだろう。

あの場面、まず志知が良いタイミングのパスを出して田中が自然に前を向けるところがまず良かったと思う。しかし観ていた時は相手のチェックで詰まりそうだったので「ダメかな」とも感じた。そこを下がってきた山岸にダイレクトで預けることができたことでチャンスにつながった。面白い点は田中がここでワンツーを期待していて、山岸はもう一度さっきの形をやろうと判断したこと。結局この判断によってスピード感と相手ゴールへの距離を縮めたと言えそうだ。感触をつかんでいたであろう前のフィードも絶妙で、フアンマによるスペースメイクも見事だった。そのスペースを使うというのはもう共通理解になっているようで、短くない距離のスプリントで顔を出した山岸がダイレクトで好手のクォン スンテを攻略した。

全体を通して見れば、ピンチも少なく無かったし、欲しかった追加点も取れなかった。しかし勝てた。それが重要なのだしアウェーの2ndレグに向けて「良い状況」は作った。相手は鹿島で挑戦する立場に変わりはないが、過剰なリスペクトは不要だ。勝ち抜けるイメージを十分に持って乗り込んでもらいたい。期待しよう。

ひと休み

先週の水曜のことは忘れたな……。そして週末の浦和戦は重い試合だった。あまり詳細に触れることもないが、すっかり重心が下がってきている印象だ。相手によって守備のための守備を強いられた結果とも言える。

慎重というより臆病、急ぐというより焦り、そういう印象も受ける。しかし選手たちは本当によくやっている。それは間違いない。

また疲れを癒して、目標に向かっていってもらいたい。期待している。