まるでTOP20

フェド杯プレーオフは強豪ブルガリアを相手に勝利。森上が昨日と今日で2連勝し、中村が今日、殊勲の1勝を上げ、ワールドグループ残留を決めた。それにしても、森上はWTAランクで30から40は違う相手に堂々の勝利。その勢いをかって進境著しい中村がとんでもないプレーで15歳カラタンチェワを退けた。
中村が落とせば森上の2勝は無になるところだった。いくらダブルスが残っていたとは言え、格上との地力の差は、接戦になれば重くのしかかってくるものだから。その中村の相手は今年の女子ツアーにおいて最大のサプライズともいえる新星カラタンチェワ。前日の森上は経験の差プラス、ホームの利が勝敗を分けたといえる。
そしてこの日、プレイングキャプテンでもあるマレーバが森上に負け、15歳の少女にかかるプレッシャーは大きかったに違いない。しかも、前日の敗戦が、怖いもの知らず(ビッグマウスでも知られる)の15歳のプレーから思い切りの良さを奪ってしまったように見えた。
ただ、それよりも、そんな事よりも、中村の恐ろしいまでの出来の良さが印象に残る。解説の吉田をして「TOP10を狙えるような」と言わしめるプレーぶりだったからだ。日本の女子選手の中でもサーブ力は高い方だと思っていたが、しっかりと主導権を取れるレベルにあるということは証明されたように感じた。オーバーヘッドのショットに自信がなさそうなのが気になるが、機を見てのネットプレーも十分に圧力となっていた。そして何と言ってもストローク。常に主導権を取って、次々と深いショットが繰り出されるそのプレーに、吉田が言う前に「まるでトップシードクラス」と思ったものだ。
僕は福岡国際で森田に負ける中村を見ている。奇しくも中村の相手はここでも15歳だったが‥‥。おそらくはショックだったに違いないその敗戦後、欧州での戦いを経て、何かが彼女に起きているのかもしれない。敗戦後のカラタンチェワは見ていて可哀想なくらいで、そのプレッシャーの一端を見る思いだった。そんな相手だったから、ということもあるだろう。しかし、あの中村の絶対値を見るにつけ、ランク50位内は年内には到達出来ると思うし、来年には是非、グランドスラムで3回戦くらいは常連になって欲しいものだと思った。
  
そして森上の涙に感動しました。意外でもあったしね。