11人いる

数合わせが重要な競技だと思っているので、そこで勝てれば大きい。いわゆるミラーゲームではそこがより顕になるということで、ギリで勝てたのもそれだったのかと。

もちろんゴールにおける前嶋のクロスとウェリントンの質が決定的だったが、それまでの流れ、雰囲気を掴んでいた出場選手たちの働きぶりが、あのゴールに繋がったと思う。

たとえドローに終わっていても面白い試合だった。しかし、あまりにも見事に「期待された形」のゴールが決まったので、嬉しさとともに思わず笑ってしまった。不確定な競技の中にままあらわれる結晶を見るのは楽しい。

確かに「名古屋に勝った」というのはそれなりに感慨がある。このカードもまた「次」があるので楽しみだ。

FC東京に勝利

短期での3連戦ということで、ちょっとした総力戦と言えるものになったと思う。そして勝利した。積み重ねたものの違いもあるだろうが、単純に質、クオリティで上回った。

前提があったため、あの山岸の先制点はかなりエモーショナルなものだった。残念ながら遠いサイドだったのでアシストが小田で、胸で落としたというのはわからなかった。しかし、上手い落としなのはわかったし、ドンピシャで山岸に渡った瞬間には「角度は無さそう」だと思ったが、見事にゴールが決まってスタジアムが一斉に沸いた。

「それがまず必要」という得点だからだろう。あとで映像で見ると山岸のシュートはニアだったことがわかり、ちょっと驚いたし上手いなと思う。

CKからの小田のゴールも掻き出されて未遂になったと思ってからの認定。これは凌我のこともあって良い流れができたなと思った。

2点取ってあとは黙らせる、というのはもちろん試合前に願ったことだが実際にそうなってみると本当に嬉しいものだ。そしてこれでまた楽しみが増えた。

奇しくも次のリーグ戦の相手は、ルヴァンで次にあたる名古屋。リーグ優勝を窺っているチーム相手にどう振る舞うか。期待しよう。

そういえば、この日は代表戦でのスーパーな冨安を見ていたので、本当に良い日になった。衝撃の結果になったが、普通に内容で上回った事実に「こんな日が来るとは」と思うしかなかった。

冨安のプレーを注目していたので、日本のチャンスで取られて繋がれそうになるあるシーンで「ここで冨安なら」と思ったタイミングで画面の外から見事に現れたのには痺れた。本当に良い選手だし、試合後のインタビューでは昂っているように見えて、それは「ようやく代表で力を発揮した」ことを実感して、これまでのことを振り返ってもいただろう。本当に良かった。

3連戦

同一カードで1週間に3試合、という状況はむしろ楽しいと感じるし、その中でどう振る舞うのかをまず見せてもらったということだろう。

個人的にはなるほどなと思える内容で、そこに現時点で細かく言及することもないが、それにしても良い入り方だった。

前のクロスは100%山岸を意識したものだと思うが、そういう形だったからこそ大外の凌我が決めたとも言えるのでは。

そして、良い時間帯に追加点が取れた。これが本当に良かったなと思う。ちょっとアビスパでは珍しいもので、好みのものでもある。

クリーンシートを逃したときの奈良のリアクションを見て、それもなるほどなとなった。そういう気持ちの積み重ねで守られるシュートもあるだろう。

次も早いしこれくらいで。とにかく良い勝利だった。

第103回天皇杯 準々決勝

まああまり使いたくはないが「気持ち」で勝った、と言っていいのではないか。それは相対的に差があったというより、単純に絶対的なものであったと感じた。

早すぎる失点は一部始終がよく見えるところで観ていたので笑、さすがに項垂れてしまった。ただし、次第に良い時間帯を獲得する中で、得点もまた時間の問題だろうとは考えるようになった。

とは言え、セットプレーからの惜しい場面が2度あって、あと数センチが及ばないのは嫌な流れでもある。

しかし。前半の最終盤に高い位置で井手口が躍動し、鶴野含めて奪いきったボールをダイレクトに繋いで山岸がゴール。これは良いゴールだし、あのままリードされて前半を終わるのとは雲泥の差だ。

後半も開始早々に湘南が仕掛けるがシュートにはいたらず。これは本当に良かった。そして逆転ゴールはまたも山岸。立ち上がって喜びながら「湘南サポはどう思ってるんだろう」となるが、やはりメンタルというのはこの競技で重要な要素なのかと。

ダイジェストで見ると、数的有利にある3人が同じ絵をイメージしていたのかと思える。そういう良いゴールだった。

そしてダメ押しは、ハイプレスから井上が高めの位置で奪って山岸に。パスを受けた凌我がキレイに打ち込んで決めた。

歴史はつくられて、さらに更新されるのかどうか。楽しみが続くことに感謝したい。

シンプル

失点はクオリティで、無得点もクオリティ。そういうことだと思う。

シュートも少なく、効果的なパスも散見されたが繋がらない。同じ状況で同じことを繰り返しているように見えるし、実際そうだろう。

特に振り返ることもないが、チャレンジやアレンジの意識はもっとあっていいのではないか。それもまた練習からということだろうが、その雰囲気は感じられてもいたので、この試合での硬直はやや残念だ。

まあ、先制されて負けた。そうシンプルに振り分けることもできる。

明日は天皇杯ということで楽しみだ。期待しよう。

両面性

いろんな局面でコインの裏表を試される競技だし、そこは結果として常に受け入れている。

ルキアンが良い選手なのは言うまでもない。しかし、あの場面で山岸にパスを出さなかったことは、相手を助けた。ほとんどコインは表(どちらでもいいが)に決まりかけたところを、わざわざ裏に返そうとして何も起こらなかったからだ。

そしてその後にオウンゴールで失点。流れとしては良くない。ただしやられたわけでもないのだ。他のピンチ的なものは基本的に村上の手中にあったしね。

審判を試すように、新潟はダイブや意味不明の転倒、スピンを繰り返した。それは滑稽だったが、困ったことに時折笛は吹かれた。

しかし、この試合で感じられたアビスパによっての良い面もあったということで、それはこの競技の面白さだ。だから次に期待しよう。

リーグ5連勝!

3連続のクリーンシート。横浜FCはともかくとして、湘南や鳥栖は無得点で終わるようなチームではないので、そこも価値があると思う。

この対戦はなぜか1ー1のドローが多く、一部ではオカルト扱いになっていた笑。しかし、狙いをもって初動を強くしたアビスパが先制。高い位置で奪われたボールを即時回収し、前がフリーの佐藤凌我へパス、トラップを決めて左足で流し込んだ。パス、シュートともに見事だった。

そこからの落ち着かせ方はやや過剰というか、圧力が下がりすぎたように思う。大丈夫かなと思っていたが大丈夫だった。

そして後半。またあるかなと思ったが、むしろ相手が強めにきていた。しかし、回収したボールをこれまた前がキツめのスルーパスを出して、ギリギリのところを山岸が収める。起点になった左でパス交換から金森が勝負に出て、2人をかわしてから面白いところにいた佐藤にパスを出して、スーパーなゴールを右上隅に突き刺した。

2トップは中央とファーにいたので、そのポジショニングも効いたと言えるだろう。やべスタの「ストップ解説」を見たが、基本的にファーストチョイスがことごとく変更され、最終的には個人のスキルが実ったという格好か。あの選択は面白い。

あとはしっかり閉めてホームで勝利。良い試合だった。これが続くことを期待している。

そして最後に、長谷部さん、月間優秀監督賞受賞おめでとうございます。もちろん、これはチームそのものを評価してくれてもいるわけで、実に誇らしい。