3連勝

以前「これからのリーグ中盤ではチーム全体としてのクオリティを高めていくことが必要かと。そうなれば終盤で面白いことになると思う。」と書いたが、実際にそのようになってきたのかと思わせる勝利だった。

 

もはやただ引いているチームではなく、一体感とスピード感を持って攻守に闘えるようになった。やはり特筆すべきは山岸とフアンマの2トップのことで、DAZNの中継でも柱谷幸一が繰り返しこの2人の関係性を褒めていた。

前半17分に早くもカタチになってPKを獲得。惜しくも得点にはならなかったが、そこで引き摺らない強さがあった。1点目は26分で、点に絡んだ4人の位置関係が良く、鹿島にすればPKを失敗した山岸に注意するわけで、そこを判断良く落ち着いてフアンマへラストパスを送ってゴール。ここで注目したいのは起点になった金森にボールが渡る前。中盤でフアンマが競り、山岸はボールを死守しようと身体を張った。その結果こぼれたボールを中村が金森に供給、という流れがあった。ちょっとしたショートカウンターのようになって、相手に時間を与えなかったのが良かったと思う。

前半はそのままでも良かったが雰囲気として追加点があるなとも感じていたので、あの追加点は驚きではない。ハーフウェーライン辺りからのFKをロングキックで左に通し、一旦下げてから右に大きく展開(宮が左利きであることが活かされている)。湯澤がしっかりとコントロールして金森とのワンツーを敢行。相手の安西との勝負に勝ち、美しいクロスが供給されてフアンマが絶妙なタッチで左隅にゴール。湯澤のこのプレーは「やべっちスタジアム」でときめき、じゃなくてサブイボに選ばれるというおまけ付き。おめでとう。

そして後半64分。この3点目はデザインされたものだと言えそうで、まず志知のスローインからの2トップの狙いも面白かったが、単純にクリアされたボールをグローリがダイレクトで湯澤へ。これが良かったし、素早く呼応してフアンマがゴールへ前進してDFラインを下げさせる。彼はこの試合で2得点しているのだ。そしてボールを受けた金森がいるべき場所にいる山岸へ速いショートクロスを供給。狙いすぎずにしっかりと当てられたヘディングは沖の手に負けないでゴールへ吸い込まれた。PKの時といい、この時の反応といい、良いGKだなと思う。

その後も村上の好セーブなどでクリーンシート達成。この3連勝はすべて無失点というのが良いね。またこの連勝の中に川崎と鹿島が入っていることが価値をさらに高めている。

もはや過去の昇格時の記録も関係ない。そう言っていいくらいにこのチームは良くなった。だからここをベースにして、いかに上を目指すかだろう。指揮官のコメントにもそうした気概が感じられる。残りは10試合、この良い流れを持続していってもらいたい。