3連勝

「上手の手から水が漏れる」とはまさにこのことだなと思っていた。先制点のシーンのことである。志知からのクロスが良いところに入って、ハイボールを西川が一度はキャッチしたが味方に乗るような形になってバランスを崩し、反動で離したボールがメンデスの横にポトリ。それを判断良く素早く決めたのは素晴らしい。あれをミスと言うのはかわいそうだなと思うし、試合後のコメントでは風で予測と違う距離感になったみたいだ。

メンデスにすれば1人で3人を相手にしているわけで、その中で倒れることもなく慌てずにそこにいたことが運を呼び込んだ。周囲との連携が進んでいることもうかがえる良いゴールだったと思う。

早すぎる時間帯と言えなくも無いが、やはりリードがあるのと無いのとでは大違いだ。しっかり隊列を整えながら機を見て攻め上がるスタイルはJ1の水準に達していると思えるし、シュート数、走行距離、スプリントでは上回った。

またこの試合ではクルークスがスタメンとなり、まだこれからという感じだが特徴は見え始めている。縦への突破などでのチャレンジはいかにもオランダリーグでのキャリアを感じさせる。より馴染めば攻撃面でバリエーションを増やしてくれそうだ。

そしてジョン・マリ。彼はタイでキャリアをスタートさせて、東欧に渡り、直近では中国でプレーしていた。あまり過去映像などは見ていないのでどういうプレーヤーなのか気になっていたが、やはりフィジカルで強みを出せるタイプなのはわかる。それ以外の部分でどうなのかはこれから知っていくことになるだろう。ただ名刺がわりの一発は凄かったね。

志知からのクロスは湯澤に向けられたものだったかもしれないが、それをゴールを背にしてトラップし、はねたボールを反転しながら高い打点のハーフボレー。ああいうのを見るとやはりエムボマを思い出してしまう。またボレーでの得点が多かった西澤明訓などは、その理由として盟友の森島が「マイナス気味のラストパスをわざと出してくるから」と言っていたのを思い出したりも。そういう普通じゃないことがありうる選手なのかもしれない。

これからはまた違った戦い方もできるだろうし、アップデートをやめないことがチームの成長に繋がるかと。それもベースにある守備陣の活躍があればこそで、常に素晴らしいことは触れておきたい。