大一番

今夜の穂積もビッグマッチだけど、明日は清水ー浦和という現時点の頂上対決がありますね。その注目カードの話題の中心にいるのはもちろん小野伸二。浦和が一番強かった時期に控えに追いやられていたという経緯もあり、その古巣との対戦にはやはり期するものがあるはず。彼の「本気の本気」が見られるかもしれない、というのが楽しみで仕方ない。
シンジが加入してからの今季の清水は練習試合も含めての負けなし。もともと守備で評価されていたチームがあえてリスクをもってシステムを変更し、いまだ発展途上にあるが確実に洗練されつつあるというのが清水の現状だと見ています。
より強力なストライカーを獲得して岡崎と組ませるというのが本来の強化策だったとも漏れ聞こえていますが、クラブは地元出身のスターを選択した。そこで導かれたのが4-3-3の攻撃的布陣。バルサというかオランダのシステムですね。今季、シンジが好調と言われている最大の要因と思うし、やはり彼はこういうモダンでテクニカルな志向と親和性が高い。
冒頭で触れた「一番強かった時期の浦和」とは、前時代的なリトリート&ロングカウンターをベースに、とにかく誰もが犬のように走り回って最後はワシントンにおまかせ‥。つまらないけどその強さは半端無かったですよね。そしてそれは「小野伸二」を必要としないものでもあったわけです。まあ結局はワシントン一人がいなくなることで頭打ちになるという無常感も伴っていたわけですが。そういえばナビスコで有光が浦和からゴールを奪った、なんていうこともあったなあ、誰も覚えてないだろうけども‥。
その浦和もフィンケ体制を持続させて今があるのですが、こちらも発展途上。阿部の良さが引き出されるようになっているところに好印象を受けます。
清水の「攻撃的布陣」もまだまだ“看板に偽りあり”で、基本的には守備から入ってじっくりと相手の出方を見るという受け身的な体質があります。ただし、前線のコンビネーションが向上しつつあるので、このままいけばより3トップらしさが出てくるものと期待しています。とはいえ、ここはJリーグだからねえ‥‥気質的に「自分たちの長所を活かす」よりも「相手の長所をつぶす」ことにプライオリティがあるチームがほとんど。気持ちのいい試合ってのがなかなかないし、「サッカーって楽しい!」と思える機会には滅多に出会えませんね。
だからこそ、僕はシンジと彼を受け入れた清水に期待しているのです。心底勝敗抜きでね。