2006年シーズン最終戦

第86回天皇杯5回戦 浦和 vs 福岡
久しぶりの埼スタ。一方は手堅い戦術でリーグチャンピオンに上り詰めた(かつてのお荷物)浦和。そして一方は入れ替え戦の末降格に至った福岡。純粋な戦力では比較にならないほどの差があるのだけど、それが内容に直結しないんだよね、この競技は。
そんなことをあらためて感じさせてくれた選手たちの頑張りには感謝したい。遠くまで来た甲斐があったというものだ‥
  
さて、ある意味プレッシャーの少ないゲームである。アビスパにとってはね。
そんな中でどういう戦いを見せてくれるのかが最大の焦点だったのだけど、沖野さんは3バック対策をわかり易く打ち出した。誠史を相手3バックのサイドに張らせて、守備面も含めた貢献よりも、攻撃面での起点としての役割を5割増くらいに与え、サイドから崩すことをチームに意識づけた。右サイドではあまりに久しぶりの光平が、守備面で相手の中の3人との人数合わせに使われ、光平が上がるべきスペースには薮田が流れることがしばしば。
  
おそろしく真っ当な対応策ではないだろうか。中倉さんはいみじくも
「今シーズン当初に見せていた組織的な守備が蘇っていた」
と言っているが、まさにその通り。リスクは最小限にして、なるべく沈静化させたゲーム運びをするという意味においても、だが。
今季ですでに5回目の顔合わせとなるレッズ。この日はチャンピオンの見る影も無いひどい有様だったが、そういうことは差し置いてもこの日は、これまでで最も可能性を感じさせたのはよかった。この1年の経験がカタチとして残ったのだ。でもそのアプローチとして懐古的になったはどうなんだろ。
「そうするよりない」
のは解るのだが‥
  
このゲームで特筆すべきは、辰徳や川島、光平といったサブ扱いの選手たちが、良い集中力をもって個々で差がある相手にも十分よくやれていたことだろう。出し抜くまではいかないにしても、受け止めてはじき返すことはできた。
これに佑昌、城後が加わり、亨や神山といったメンバーが計算出来るのだからチーム力が大きく下がることはないと思える。若い彼らがタフにこなしてくれないと、J2は厳しい。
これにベテラン勢がミックスされ、一丸となって捲土重来を期すのだ。よほどのボンクラが監督になっても、選手たちは頑張れると思うね。小林さんもいるし。でもリティって育成タイプかなあ‥。なんとなく一匹狼じゃないか?
  
さて、このゲームでのパフォーマンスが「今季1、2」ほどのものであったかどうかはともかくとして、色んな意味で選手たちのたくましさを感じることが出来たのは嬉しかった。今季の挑戦は潰えたが、来季の降格1シーズンで再昇格、ということに挑むチームもまた、魅力的ではないか。
地元のスポンサーがとんでもない不始末をやらかしているが、そういうことの対応も含め、クラブには今季の結果に対する猛省を求めたいし、選手たちには向上心をもってオフを過ごして欲しいと心から願います。
  
ああ、横浜のことも書き留めておきたいなあ。まあその内だな‥。