やはり国民性としか言いようがない

日本に足りないトレーニングと“スペース”への意識

1つはサイドチェンジがないこと。右、あるいは左、1つのサイドでプレーがスタートしたら、そのサイドでプレーが終わる場面が大半です。逆サイドにボールを回し、空いているスペースを攻略するプレーはほとんど見られませんでした。そして2つ目。多くの場合、ボールは前へ前へと進みます。ボールを奪った瞬間、前にパスを出したり、前にドリブルをしたりと、どんな状況でも前を目指しています。3つ目は、ボールの動きが偏っていること。ボールを保持している状態で相手の守備を崩すためには、ボールが外から中、中から外へと進むことが重要になります。しかし、一度ボールが中に入ると、外へ出る場面はほとんど見られず、多くの場合は外(サイド)でプレーしていました。

 4つ目は、試合のスピードが常に一定で速く、リズムの変化がないことです。サッカーは相手ゴールに近づくにつれて、スピードが増していくのが理想です。しかし、日本の選手たちはどこにボールがあっても常に同じリズムでプレーしています。パスを回す、あるいはボールを下げることで選手がポジションをとり直すなど、オーガナイズを構築する時間もありません。ただし、この提案は日本とヨーロッパの違いであり、どちらが良くてどちらが悪いというものではありません。

これは概ねJリーグでも言えることですよね。代表ですらその傾向は強いと思うし、自然とそうなってしまうことが多い。横並びで盛り上がっていく国民性が、そのままプレーでも再現されているように感じられてそれが前からイヤなんだ。多様性を認めたがらないから意外性に欠けるし、数少ない創造的なプレーを「おしゃれ」なんていう言葉遣いで揶揄するシーンはよくあります。
悲しいかな、国内シーンでは基本的に「創造性をいかに潰すか」に偏っていると感じられるので、こっちがそういうコンセプトでやろうとしても、周りが許さない(笑)。相手がある競技なので、お互いが先の無い崖に続く道だとわかっていてもそれを選ぶしか無いようになっている。そしてそれにうんざりした才能が海外に出て行くんだよね。「日本人らしさ」って何なんだろうか。
これを考えると、つまるところドイツでのつまづきが尾を引いているようで、返す返すもG子(と見込みの悪い協会)が恨めしいのです。