マイルストーン

錦織にとっては通過点に過ぎないけど、輝かしいものであることは間違いないです。日本におけるプロスポーツシーンにおいて、個人競技でなおかつフィジカル面で過酷な(体格差が優位性につながる)ものでこの成果は他に類がないのではないだろうか。
彼はアメリカのフロリダにあるテニス選手養成学校で14歳から英才教育を受けていたわけだけど、要はそこにいられるだけの才能をジュニアの年代から国内で表現していたということ。実際、それなりに評判だったわけで、彼の名前はかなり早い時点でテニスの愛好者レベルにまで到達していました。他にもスペインに渡った有望とされる選手などいたわけですが、プロツアーで世界と競争出来るまでには至っていない(まだ若いけどね)。
国内シーンで「天才」と言われる選手はちょいちょい出てくるものだけど、彼ほどほぼ順調に実績を残しているのは稀でしょう。18歳でプロ転向し、その4ヶ月後にツアー優勝というとんでもない快挙を成し遂げます。これは確かオープン化以降の2番目の年少記録だったと思う(1番はヒューイット)。その戦いぶりを観れば、今の活躍はまったくの想定内でむしろ遅かったくらいです。その要因は怪我だったりするんだけど、絶対値の高さは示していたので時間の問題だと思っていました。
私が知る限りでのこれまでの日本人プレイヤーと彼が違う点は、なんといっても「勝つ為に必要なポイントを必要なタイミングで獲れる」ということじゃないかと思います。相手からすれば獲らせたくないポイントを意外とあっさりと獲ってしまうんですね。これは実際難しいですよ。あのような超人的なレベルの中でそれをやってしまうということの意味をわからないなりに考えるだけでクラクラする。勝負に関してのセンスが日本人離れしていると言っていいでしょう。
しかし上には上がいるわけです。今大会での消耗度と考慮するとマレー戦での100%のパフォーマンスは考えにくい。そうでないと勝てない相手なので、ストレートでやられる可能性は少なくない。その中で錦織がどう振る舞うのか‥‥とにかく楽しみです。
最後に。勝者を讃えるツォンガの素晴らしさ。こういう選手は多くないですよ。
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2012/01/23/gazo/G20120123002491070.html