次のステップ

日テレで大活躍中のトルシエもかつて言っていた「日本には守備の文化がない」。実際のところ彼らが言うところの“守備文化”というのは根付いていないと今でも思います。それでも「やれ」と言われれば忠実にやってしまうところは今回の代表の良さだったと言えるでしょう。すべてはカメルーン戦で結果が出たという後付けの要因が大きかったわけですが。窮鼠猫を噛む、まさにそれでした。
オシムが言っていたと思うけど、「日本人は甘く見られてるとわかると強く反発する」というのも今回発揮されたのかな。ただし彼ら代表を甘く見ていたのは日本人だったわけですがw
4試合を観たあとの感想としては、正直、基本的につまらない内容&戦い方だったと思う。それでもデンマーク戦は突出して強烈な印象を残した。あの試合での本田は完璧な「W杯のスター選手」を演じていて、そんな選手は日本のサッカー史にいなかったわけだから。彼があの試合で示したインパクトは日本よりも海外の方が大きいんじゃないかな。本当によく間に合ってくれたし、これからが大事なんだろうな。精進してほしいですね。
さて、つまるところ日本はこの大舞台で持久戦を選択したのであり、それはやるべきではないことだと思います。それをやるしかなかったのはよく解るんだけど。トーナメントの1回戦で持久戦につき合わされたパラグアイには気の毒だったなと思う。パラグアイはとても感じの良いチームで、こうしてW杯で因縁ができたことを素直に喜びたい。
オランダ戦の日だったか、BSで日韓大会のときのロシア戦を見ました。あらためてこのときの日本は良いチームだったなと思いました。その後の4年間でほぼリセットされることになり、オシムによって「走ること」が目的のようになってしまう。岡田は面倒くさいタイミングで引き継ぎ、なんとか出場権を失わずにすみました。そして強化試合で非効率の弊害を思い知らされ、前からのプレスを極端すぎるほどに捨て去り、ついでにFWも戦術から外しました。攻撃は本田と松井にのみ頼り、ゴールまでの距離は随分遠くなったはずが、本田がそれを許さなかった。本田は与えられた役割をこなし、なおかつ周囲と連携し続け、さらにスーパーなゴールまで決めた。フィジカル・テクニック・メンタル、すべて良かったですね。素晴らしい。
本田に救われた今回の代表はGL突破という望外の結果を出しました。でも持久戦は非効率で勝ち目のない行為。協会の総括はしばらく後になるんだろうけど、どういう判断をして次に繋げるのか注目したいですね。
とまれ、今回の代表の頑張りにはとても感動したし、興奮もしました。そのことには感謝したいと思います。Jも待ち遠しい。