ボールよりも

日本がPK戦を制し、準決勝へ進出!
前半はレベルの高い内容だったが、後半からは相手がしぼんでいったので盛り上がれなかったですよ。
攻めながらも先制されるが、すぐに追いついた上に相手に退場者がでた。でも勝ち越せなかった‥。これが今の代表の全てでしょうね。この内容では僕の中での評価は上がらないんです。最終的に勝ったのは「運」だったわけですから。
  
ボールよりも人が動く、そんな相手を迎えたオージー達は早々に消極的な戦術をとりましたが、そうさせたところにオシムのチームの凄みがあると言えるでしょう。運動量とスピードで体格差やクオリティをうやむやにしてしまうことが、オシムの考えるところの「日本代表」なんだろうと以前(id:hal-u:20061011)にも触れましたが、この試合はまさにそれだったように感じました。俊輔は試合後のコメントで「走ったことに達成感を感じる」と言っていますが、まさにそういう闘い方であったわけです。
しかし周りが思っているよりも、俊輔は自分のスタイルにこだわっていないんでしょうねえ。これまでも彼の発言はけっこう場当たり的でしたから、その傾向は知っていました。それでもあそこまでオシムの求めているものに馴染んでしまうとは驚きですよ。ある意味、そういう素直で従順なところこそが「彼らしい」といえるのかもしれないな、と思いました。
  
オシムが後半の43分まで交代枠を使わなかったのは、優秀なフットボールコーチ達に通ずる「頑迷さ」と「あまのじゃく」といったものが由来しているのでしょうが、最終的には誤りでしたね。状況的に有利な立場にある日本がPK戦に持ち込まれたのですから。4年前の無策なブラジル人とだぶっちゃいましたよ‥。
次のセミファイナルでもスタメンをいじらなければ、ますますだぶることになるんですが、その可能性は高いように思います。(怪我をした加地は難しそうですが)
オシムとしては、ここで限界を乗り越えて得た結束力をもってW杯予選につなげたいはずです。まともなコーチならそうしますよ。あのブラジル人もそうすることが出来たなら、ドイツで違う結果が得られたかも。ただし無策なブラジル人はアジアカップのメンバーとW杯を狙うメンバーを別物としてしまった。それこそが間違いの始まりだったのですね‥‥。
オシムが高原と俊輔を今回招集し、このような試合で最後まで闘わせた理由はそこに尽きる。そしてドイツで負けたオーストラリアに雪辱を果たしたことで、オシムの今大会における目標のほとんどは果たせたようなものじゃないですか?
これでまとまらないはずはないので。
あとはもっと上手いチームにならなくてはいけない。そしてこのメンバーにいくらかのエッセンスを加えてW杯予選に臨むのでしょう。この試合で有効な交代策をとれなかった(結果として)ことは、今のサブに問題があるといっていいと思いますし。
  
これで僕の中ではアジアカップは終わったようなものです(笑)
次の一手を楽しみにすることにしましょう。