盆と正月とついでにクリスマスも来たかのような、そんなパフォーマンス。
「ああ、俺はこれを見たかったんだ」
と感じながらの観戦は、実はまったくの期待はずれだった。勿論いい意味で。
4バック総入れ替えという前代未聞の現象を目の当たりにして、前回のカシマでの出来事が頭をよぎる俺は、あまりにネガティブすぎたんだろう。それがふたを開けたら、ラインは高く保つ意識が見受けられたし、その前の中盤だけでなく前線までもが急造の守備陣を助けようとしているじゃないか。
これがチームなんだな。組織とか言う前に、まず仲間であることが大切なんであって、困っているヤツがいたら助けないと。
この日の「一歩踏み出した」ような内容は、間違いなく今季最高の出来だったし、これからに繋がるものを見いだすことが出来たのが何より嬉しい。みんなが歩み寄って一つの方向へ向かうようになれば、今まで勝てなかった相手にも勝てるんだよ。
この日の勝因は何だろう。守備面の危機感がいい方に作用した?スカウティングがハマった? 否。そうじゃない。やはり、選手たちがこれまでの苦難を経て成長したということに他ならないと思う。
たとえ、素質にあふれた若い選手たちが多く在籍するチームが相手だろうと、テクニック以外の部分で十分に戦えることを証明したんだからね。
そういえば誠史の対面には子供がいたよね。たしか有望だと騒がれていたんじゃなかったか(まだ何も成してはいないのに)。だが、アビスパの1点目はその誠史が子供を抜いてからのパスが飯尾に渡ってのものだった。華麗ではなかったけど、あれは気迫とかそういう類いのものがゴールに繋がったのだと思う‥。
とにかく、有効だったベンチワークも含め、多くの面で鹿島を上回った上でのこの結果はまさに妥当だと言っておこう。本職で結果を出した川島や、誰よりも若く見えた久藤、見事だった2トップ、現時点での結論が出たと感じたセントラル起用の北斗‥‥みんな凄かったね。
次は首位叩きなんてどうだろう。
あ、よく考えたら鹿島は前節であのセレッソと引き分けたのだった。なら勝って当然だったか。よかった。最高。