バランス

気温はさておき湿度は高いので、まとわりつくような空気が漂う九石ドーム。「冬は寒く夏は蒸し暑い」ってドームの意味はないよな。
福岡はそんな環境で、外国人二人が不在の大分相手にいなされてしまった。予想通り弱体化した相手に対し、守備主体のかつての戦い方を選択した結果だ‥
  
前半こそスペースを使って薮田や北斗を走らせていく、シンプルで速い攻撃を志向していたが、パスの精度と受ける側のポジショニングに問題があったように見えた。
「誰かが走るべきところにパスが出され、走るべきスペースに誰かがダッシュをする」
このどちらも欠けてはいけないのだけど、このいわゆるオートマティズムの完成度は低く、ほとんどの場面で速攻が遅攻にならざるを得なくなる。
「攻めるために守る」
という発想はいいと思うんだ。そのための北斗であり、薮田であることもわかる。ただ、昨日のプレー内容から見ると、それは上手くいかなかったと思う。いや、上下の運動量は目を見張るものがあったし、守備面ではホントによくカバーリング出来ていたことは評価したい。
ただ、北斗をあえてハーフで使っているのはフィニッシュをも期待してのことだと思われるのに、守備的にいくという意向からSBのバックアップがあまりに無さすぎた。(後半は増えたが、むしろ流れ的には前半になされるべきだった‥)
単純に、決定的な場面で決めていればこの指摘は見当違いということになるのだけど、結局は前半のツケを後半に払わされることになったのでね‥
  
就任当初の攻撃性を失った指揮官は、勝ちにいくための積極策はとらずに、遅い時間まで交代をしなかった。これも残念だと思う。そして改めて本職のFWにチャンスを与えるべきだと言いたい。確かにそのチャンスを活かせないままにここまできている訳だが、付け焼き刃はもう結構だ。どうせダメなら納得のいく方を選びたいのでね。
  
攻守のバランスという意味ではいい戦いをしたと思わなくもないが、昨日の大分はしょぼかったんですよ。それで、堅守復活とか最下位脱出とか言いたくない。
  
個人競技の話になるが、今朝やってたテニスの全米オープン女子ファイナルでのこと。放送中に解説の遠藤愛がこんな感じのことを言っていた。
「試合には二つのパターンがある。お互いがとにかくテッペンを目指すか、それとも相手より少しでも高いところにいくことを競うか、のどちらかだ」
今のアビスパは後者だろうね。状況が、ではなく体質が。別に悪いことではないけど、個人的にはツマラナイんだよね。