クラッシュとブロークバック

クラッシュ
http://www.crash-movie.jp/

ブロークバック・マウンテン
http://www.wisepolicy.com/brokebackmountain/top.html
を先日観た。
  
クラッシュは、アカデミー賞の作品賞を受賞し、ブロークバック‥は監督賞、と実にメジャーな作品をたて続けに観たわけ。率直なところでは、どちらもよく出来ているし、やはり受賞するだけのものはあるんだろう。ただ、この二つはあまりにアメリカ的で、描かれている状況などはほとんど普遍性を感じなかった。そう簡単に我が身に置き換えて、とはいかないよ。
ハリウッド(=アメリカ)的な押し付けがましさが鼻についたのは、続けてみてしまったからかもしれないな。このアメリカ的なわかり易さを、それほど毛嫌いしているわけでもないのに、今回に限ってはどうしたことか‥
  
クラッシュは、脚本マニアが、ホントの話っぽく色んな状況を詰め込んだ、現代の寓話、ということなんだろう。各エピソードが予定調和よろしく「ちゃんとリンクする」あたりは律儀、といってもいいくらいで、はっきりいって強引で、あまりに映画的だ。
売られるはずだったアジア人が、アフリカ系によって解放されて、ほんのり「いいことしたよな俺」みたくなったりしても、ちょっと待てと。
誰か救われているようで、実は何も変わってないよ、ということが言いたかったのなら、それでもいい。
  
ブロークバック‥は、あの主題をごく普通に描くという姿勢にこそ、意味があったのだろう。そう捉えれば特別な作品といえる。それだけに、ヒースとジェイクの熱演が空しいような気もする。ただ、一人になってからのヒースの演技とその描き方は本当に良かった。
  
こういう感じ方をする時に、「かもめ食堂」とか観たら、いいかもね。クラシコもつまらなかったしなあ。