DAY12

錦織圭

今年の全豪で最大の発見である、キプロスのバグダティスは全仏でも期待させるようなプレーぶりだ。
ロディックに勝ったときのプレーは、何かが乗り移っているかのようで、いわゆる「ゾーン」に入っているようにもみえた。今の状態はまさに「ノッている」状態で、それがファイナル進出という結果に繋がっている。
昨年のグランドスラム大会でのリザルトを見ると、全豪ではやはり4回戦まで勝ち残っており、それ以外は1回戦敗退。なるほど、相性がいいのだろうか。
  
20歳という若さも手伝って、勢いに乗ったまま、一気にチャンピオンまで上り詰めるか。それには超えなければならない高い壁があるのだが。ファイナルでこの若者が戦うことになるのはやはりスイス人だろう。意外と言っては相手に悪いが、勝ち上がりは決して万全ではないように見える。が、そうした不調さえも全てコントロールできているのではないかと思えるほど、勝負どころの強さは際立っていると感じている。
  
王者に挑むシンデレラボーイ。この構図は面白いと思う。
  
女子は‥‥モレスモはやはり届かないのだろう。キャリア初のファイナルとは意外だ。今のエナンには勝てそうも無い。実力も経験も。
  
あと楽しみなのはジュニア。錦織と森田がそれぞれベスト8まで勝ち残っていて、今日同じ時間に試合開始だ。錦織はその2試合後にはダブルスの準決勝が待っている。ジュニアでのシード順にどれだけ意味があるのかはわからないが、男子に関してはトップシードはいなくなっている。チャンスなのかもしれない。