シャラポワ負けた、ではなく

エナンが勝った、のであり、今日はエナンが負けたのではなく、モレスモが勝ったのだ。
棄権というエクスキューズはつきまとうが、モレスモは変わったと思う。恵まれた資質に溺れていた部分も見受けられたこれまでの質の軽いプレーは、もうない。おそらくは、ダベンポートに訪れた変化と同様のものが彼女にもあったのではないか。
隙を見せていたら、今日のような結果にはならなかっただろう。あのエナンがリタイアするというのは余程のことだと思うが、無理をしても勝てないんじゃないか、そう思わせる相手だったからこそ、だろう。
長年テニスを見てきている者にとっては、今日の結果は意外でもあり、そして喜ばしいことでもある。
7年前のあの事をすっかり忘れていた僕は、彼女のキャリアで初のグランドスラム決勝と思っていたが、実は2回目だったし、それ以来だったというのも驚き。どうやらこのブランクは記録らしいが、それだけに価値がある優勝だった。
  
ジュニアの二人は残念だったが、大健闘というほかはない。
  
いよいよ、明日は男子ファイナル。結構、一方的な展開になるのでは、と思っている。
やはり、スイス人はピークをここにもってきているようだ。
予想が外れるなら、それは面白い試合になるということなので、一向に構わない。