ブタの居ぬ間に

バカンスも明けてスペインリーグも再開。冬のチャンピオンとなったバルサエスパニョールとのダービーをほとんど危なげなく制した。スコア以上の差を感じさせた内容は、バカンスぼけが残る感じのある攻撃陣をよそに、相変わらずのパフォーマンスを見せる中盤以下の頑張りが、決して悪くないエスパニョールを抑え、チャンスを作り続けた賜物。
差はあるものの、エスパニョールはデ・ラ・ペーニャとタムードのデュオだけでチャンスを生み出す。プレスは厳しいものの、時折できるスペースでデ・ラ・ペーニャが前を向いた時にはタムードは動きだし、間違いなくそこへラストパスが供給される。このゲームを面白くした最大の要因は間違いなくデ・ラ・ペーニャの存在感。ドイツではどのように起用されるかはわからないが、膠着したときにこのタレントは必要になるはずだと確信。
  
そういう意味では、翌日のビジャレアル対マドリーでのリケルメも似たタイプ。こちらのゲームはお互いの現状を反映し、ホームのビジャレアルが押し気味に攻め立てたが、ついにドロー。どちらが勝つべきだったかと言えば間違いなくビジャレアルだった。流石に、CLで決勝トーナメントに進出しただけのことはあると改めて思った。

ピッチで繰り広げられた両チームの駆け引きと目まぐるしい攻守交代は、観衆を大いに魅了した。加えて、局面での1対1の壮絶さこそが、この試合を熱くする最大の要因だった。リケルメは3人に囲まれようとも自らのプライドを示すかのようにボールを死守し、フォルランはドリブルで相手に襲い掛かるだけでなく、パスを出してさらに敵の急所を突くダッシュを見せた。ジダンはゴールに結びつくトラップとパスを常に狙い、スペースがありさえすれば果敢にシュートを放った。http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20060109-00000028-spnavi-spo.html

そんな激しい試合の中、前線で蓋になっていた「音速の豚」ことロナウドの足は30分で悲鳴を上げた。負傷退場の代わりに投入されたのは「何故か」右サイドバックが本職のシシーニョ。思わぬカタチでリーガデビューを果たし、それまで右サイドハーフにいたロビーニョは前に。これは後に間違いだったと思われることになる。というのも、後半30分になって投入されたソルダードがキレのある動きでチャンスを作っていたから。加えて、シシーニョを残して上がりまくったサルガドが、前線に顔を出すものの、決定機には至らず、これならロビーニョの方がマシだと感じた。
ただ、そんな物足りなさもあるものの、久しぶりにキレのあるジダンの存在など、ポジティブな面も少なくない。人とボールが良く動く、「セクシー(笑)」なフットボールだった。掛け値無しに面白いゲームだった。
  
さて、ラウルに続きロナウドが不在となった今、僕はこの若者に注目することにした。モリエンテスポルティージョのようにならないためにも結果が欲しいところだ。
  
ソルダード
http://www.madridismo.com/soldado.htm