ニューヨークにて

9.11 NYでの全米OP女王決定戦は、ロシア人同士の対決となった。デメンティエワは全仏での活躍もあり、また今大会は杉山とダブルスでペアを組んでいたので(準決勝で棄権)、心情的にはデメンティエワを応援‥‥。しかし、それまで4大大会ではベスト8どまりのクズネツォワは、準決勝でただいま絶好調のダベンポートを退けた勢いそのままに、同朋の先輩をストレートで下した。
年間で2度までも4大大会の決勝で敗退(しかも2度とも同国の選手に)するというのは、どんなにか辛いことであるかは察するに余りある。
今年の4大大会は全豪のエナン(22)、全仏ミスキナ(22)、全英シャラポワ(17)、そして全米クズネツォワ(19)と、シャラポワを除いては、それぞれ相応のキャリアを積んできた選手たちだ。ちょっと前にヒンギスからウィリアムズ姉妹、ベルギー勢などの台頭が続いていた頃は、このまま低年齢化が進むのではないかと思わずにはいられなかったけど、何しろ現代女子テニスはパワーだけでもダメ、テクニックだけでもダメ、スピードがなければダメ、というシロモノに進化してしまった。ボレーの比重は少ないが、フォア、バックのストロークはそのどちらでもエースを狙えるだけの質が要求され、その応酬となるゲームの中で、追いつき拾い続ける為のフットワークも要求される‥‥。こうなると、経験の少ない年齢層の選手はやはりチャンスがない。全英でシャラポワが勝てたのは、多分に芝コートの速い展開が作用していると思う。
10代で頂点を極めた選手が燃え尽きていく中、ゆっくりと、そして正しく成長してきた中堅どころがしばらくは女子テニスを席巻することになるのだろう。が、やはり新星の登場も期待しつつ、すでに関心は来年のシーズンに向かっている。しかし、決勝での二人のショットは‥‥、絶句ものだった。