SFの2試合があまりに面白かったので、ファイナルを観ていて幾ばくかの物足りなさを感じてしまった僕は、保守的なのかな‥
どちらにも入れ込めないまま、どちらかというと「ナンバー1を破った」ジョコビッチに勝って欲しいなという気がしていた。そしてその通りになったわけだ。
立ち上がりはお互いにやや固い感じで、ジョコビッチが1stセットを落とした時は「やれやれ」という感じだったが、2ndセットでの本領発揮の内容を観て「このままいくだろうな」という確信めいたものが僕の中にはありました。
やはりこの競技も相手があってのことで、ツォンガがSFでナダルに対して見せたパフォーマンスと、この日のそれとは明らかに差がありましたね。これは相性なんだろうと思いましたよ。ナダルはトップ5の中でも展開は遅い部類になります。遅い展開でこそ活きるのが彼のカバーリング能力であり、トップスピンショットなんだと思ってます。そしてそれがツォンガにはハマっていたんだと思えました。ツォンガってあまりスピードがあるように見えない(同じレベルの選手と比べて)んですよね。いや十分早いんですが、そこで勝負できるほどにはない。それが昨日の試合ではっきりしたようにも思えました。まあ、まだこれからの選手なんですけどね。だから相手がフェデラーであってもやはり「ナダル戦の時のツォンガ」ではありえなかっただろうな‥と思います。
さて、二十歳の若き王者ということで、彼のこれからが気になる所ですが、二十歳でグランドスラム大会優勝、体格に恵まれている、とくればいきおいイメージがかぶるのがサフィンでしょう。当時常勝だったサンプラスを破っての優勝はセンセーショナルで、そのあたりも重なります。ただしこれまで見たところではジョコビッチはサフィンほどにムラっ気のあるタイプではなさそうですが、年末のマスターズカップではフェレールにあっさりやられてたりもしましたね(でもあの大会でのフェレールは凄かった!)。
ちなみにサフィンは次のビッグタイトルまで5年かかりました。この“ニュー・ボール”は今後どのような活躍を見せてくれるのか。ただ常識的に見て、フェデラーの王位が揺らぐことはまだ当分先だと思いますけどね。緩んでしまったモチベーションと金属疲労の蓄積した身体をもう一度リフレッシュする良い機会となるんだろうな、そう思います。いやこれで面白くなった。