岡田さんがしがらみのない状態にいたことは何か縁があるのかもしれない。実績は申し分ないが、その指向する戦術は守備的であった。それでも山瀬あたりにチャンスが与えられるのは歓迎したいね。彼の考え方はこの辺りに新しい。(興味深いところを抜粋)
僕が1999年にコンサドーレ札幌の監督に就任したときは、ちょうどチームがJ2に落ちた後でした。そのときは、「すぐにJ1に上げる。それもさすが元代表監督の岡田だと言われるようなサッカーで」などと考えていました。なんと傲慢で驕り高ぶっていたことでしょう。そして選手には「これが世界に通用するサッカーだ」と、理想のサッカーを要求しました。ところが、選手たちにはそこまでのレベルはなかった。それにも関わらず僕は1年間、レベルの高すぎる要求をし続けて、結果はJ2で5位でした。そのシーズン後いろいろと考えて、「ああ選手たちは、できないことを俺に要求され続けて、苦しかったろうな。俺はなんとひどいことをしたんだろう」と気づいたのです。それから僕にとっての理想のサッカーとは、選手が目を輝かせて生き生きと躍動するようなサッカー、選手が持っている力を100%出せるサッカーへと変わったのです。