試合後の敵将のコメント(社交辞令)に励まされたわけではないが、昨日のドローは中断前のものとひと味違っていた。
サイドチェンジの意識づけや、前めでの勝負(プレッシング)とそこからの人数をかけたチャレンジ。
リスクをかけているからこそのピンチもご愛嬌、というか納得のいくもので、むしろ健全な現象といえる。そうしたピンチを責任をもった個が全力で摘み取っていく姿勢も評価したい。少なくとも昨日は、「守備の為の守備」の時間よりも「攻撃の為の守備」(言葉で表すというのは難しいね)の時間帯の方が長かったのではないか。
中断前との違いを感じているし、勝てるチームになるために正しいアプローチだと思う。期待している変化が起こっているのは間違いない。後は、前線での確信レベルを高めるというディテールの問題だろうか。リスクをかけて崩した後のフィニッシュまでの形、イメージを確立・共有できるようにならないとね。
「ゴールに慣れていない」
という悪癖を払拭するのは生半可なことではないだろうけど、そのためのリスクを冒す覚悟を感じられたのは良かった。焦りから来る精度の低さが決定力不足の正体だろうから、多少の“遊び”感覚もあっていいかもね。
あと川勝さんも言っているけど、「中盤がアタックしてフィニッシュまでいく」という狙いももっと目に見えてくるといいのではないか。僕は前体制の功罪の中で、誠史の得点の減少を悪い方で挙げたいと思っていた。アレックスとの左サイドの圧力は間違いなくウチのストロングポイントだ。なのにこの2年ほどで誠史のゴールへの意識は薄まっていったし、それに反比例して指揮官の信頼は増していくという様を見るにつけ、苦々しく感じていたのだ。それが誠史というタレントを活かしていたのかどうか‥‥確かに安定したプレーぶりは精神的な成長を感じさせたものの‥‥
個人的に今後のキーマンと見る久藤と誠史がより危険な存在になれば、FWへのプレッシャーは減る、という作用も期待していたりする。
昨日はあんまりなコンディションだったけど、内容は期待をもたせるものだ。計算では「1勝1敗1分け」というペースであれば残留は間違いない。不可能じゃないよ。