攻めた、勝った。

前売りが14,000枚出ていたとの情報もあった福岡ー京都戦。勝ち点差はともかく、形式上は「首位攻防戦」ということになる対戦は、それに相応しく質の高いゲームだった。無駄なファールが少なく、また普段よりもプレーが途切れる展開が少ない。「いいフットボール」をしようという点においては敵味方なく共通していた意識だったのではないかと感じた。
そういう意味で、昨日の京都は「やや大人しかった」のかもしれない。勝ち点差が16から13になったところで痛くも痒くもないのはわかるが、目標を高く持たないと、昇格後すぐに降格ということになるのではないか。
‥‥おっと、2位のチームのサポーターがこんな心配をすることもないか。まあ、昨日は勝っちゃったけど、お互い頑張ろうぜ、っていう気分。
そして、そんな気分にさせてくれたのがアレックスと佑昌。特にアレックスは前半のミスを取り返したところに価値があると思う。外すのが難しいくらいのフリーのヘディングを外し、13,000人が頭を抱えた(間違いない)が、まさか後半にその頭で先制してくれるとはね。そういう経緯があってのゴールだから、チームの雰囲気がよくならないわけもない。そして佑昌のゴールは人の影になって、シュートの瞬間がよく見えなかった‥。それくらい観客が多かったわけだけど、みんなの期待が追加点という形になったことで博多の森は、心の底から「俺たちのクラブ」を応援する喜びに溢れた。
  
それから何が嬉しかったかって、先制してからも攻める意識を持ち続けたこと。とうとう、ここまで来たかと。ゲームに勝つ為のイメージをチーム全体が共有している雰囲気を感じたとき、鳥肌が立ってしまった。「個」の京都に対し「組織」の福岡という見られ方は過去の話で、レベルアップを果たした福岡の「個」達は、ゲームの流れを高いレベルで掌握していたように感じた。
だから首位に勝った、というよりも、「トップリーグで戦う準備ができつつある」ことを感じられたことが素晴らしい。