風音

アジアフォーカス映画祭で『風音』を観た。はじめに監督の東陽一が舞台挨拶を行った後で、本編を観たのだけど、すごく良かった。監督曰く“ファンタジー”ということだったが、それは舞台設定を細かく定義していないだけの事で、過去、現在、オキナワの歴史、人の営みがしっかりとしたリアリティをもって、観るものに迫ってくる。
折しも、先般のヘリ墜落事件があったこともあり、登場する温厚なおばあが、「やかましいわ、このアメリカが」とヘリを見上げてののしるシーンは、現地の人の思いが余計に伝わってきた。細山田隆人加藤未央のシーンは、耽美的だが、思い出(のシーンだった)というのはそういうものだろう。大戦中の若者たちの悲劇は多く語られてきたが、戦争とテロリズムの脅威が蔓延してきた現代の空気が作用しているのか、これほど染み入ってくる感じは今までになかったことだ。
しかし、つみきみほ然り、西田尚美然り‥‥オキナワ舞台の映画には好きな役者が出ていて、そしていい作品になっているなあ。
「SIGLO『風音〜The Crying Wind』」
http://www.cine.co.jp/fuon/
協和発酵サイト連載・みお線各駅停車・バイオ行き」
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