金字塔

望外とはこのこと。SPの時点でメダルは確信していたけど、金とはね。

欧州のスポーツ専門衛星放送「ユーロスポーツ」のコメンテーターは、
伊藤みどり佐藤有香の世界選手権チャンピオンが達成できなかった五輪金メダルの夢を、成熟した女性の美を表現した荒川が勝ち取った。経験と成熟に裏付けされた勝利だ」
http://www.sanspo.com/torino2006/figureskating/news/fs2006022401.html

悲しいかな、国内のスポーツジャーナリズムでは冬季のスポーツをちゃんと評価できない。だからAP通信が「気品」と「荘厳」という表現を使っているところなんかは流石によくわかっているなあと思う。そして本場である欧州での冬季五輪で、しかも歴史ある競技での金メダルは本当に価値があるものだと思う。何しろ採点競技ということで、色んな主観も入り混じる中、誰の心の琴線にも触れる素晴らしさを荒川が持ち合わせていたということが、本当に凄いことなんだ。
  
コンビネーションジャンプでのミスを悔やんでいたりするところは、相変わらずだなあと思ったりもしたが、あの状況であれだけの演技をした後でも、「もっと出来た」と思えるところがまた凄いね。エキシビジョンが楽しみだな。
個人的には、終盤のストレートラインのシークエンスにしびれた。点数稼ぎを超越してたよ。あのスピードであの表現力!あれが「金」だね。
  
この快挙は猪谷のコルティナダンペッツォでの銀メダルに匹敵する金字塔だろう。その時と同じイタリアの地で歴史は作られた。