ノースロンドン・ダービー

冨安の評価が上がっている。期待通りであるし、実際のところ彼はいつも期待を超える成長を見せてくれる。現地の記者の記事を読んで、ノースロンドン・ダービーに際してのマッチデー・プログラムに9ページもの分量で冨安のインタビューが掲載されたことを知った。それで気になって公式サイトを覗いたらまさにトップページに大きく取り上げられていた。上記のリンク先がそのインタビューの内容で、確かに長文である。

内容自体は障りのない新加入選手の紹介ではある。おそらくデビュー戦となったノリッジ戦の後にインタビューされたものをまとめたのだろう。彼の大まかなキャリア、福岡生まれであること、ユース年代にイングランド代表と対戦して大敗したこと、イタリアを経てプレミアに来たこと、吉田麻也の存在、岡崎慎司と同様にプレミアを制したいこと、さらにCL制覇の野望まで。多くの穏当な発言の中でとんでもない目標も出たが、このダービーでの振る舞いの後ではただのリップサービスでもないと思えてくる。つまり彼はその頂点に立てるチームの一員になれる可能性があるということだ。

冨安はセリエAでのキャリアのほとんどを無観客で過ごし、同様の五輪とA代表のスケジュールこなして準備期間もほとんどないまま熱狂のプレミアに突入した。そんな状況の中で彼が楽しんでいる様子が伺えて、それは凄いことだなと思う。

そういう冨安なので、ダービーでも臆することなくプレーしていた。この試合では前半で3-0というスコアになってスタジアムはまさに熱狂の渦となっていた。冨安のプレーへの反応も良く、後半にはスパーズが左を多く使ってきたので守備機会が増えたが、ここでも好プレーで沸かせている。ラムズデールとの熱いシーンや、CKではシュートも。ベン ホワイトの「右にパスをしない傾向」も手当てされていたようで、アルテタの期待感やチームからの信頼などもより感じられるようになった。これも凄い。

これから冨安越しに最新のプレミアを知っていくことになるが、彼がどのようにグレードアップしていくのか楽しみだ。