王者強し

TOURNAMENT MATCH STATS
試合前のフォトセッション。錦織の表情は硬くフェデラーには笑みが見えましたね。この対戦における関心事としては錦織の調子が上がってくるかどうかがありました。言うまでもなく格上の王者に対して1戦目のような内容では勝負にならないからです。
そして立ち上がりでは定石通りフェデラーのバックに集める錦織。これは効果的でした。しかし錦織が時折見せる仕草(ポイント後に歩く際の違和感)が気になりました。すぐに思いつくのは腰や股関節でした。しかしその後に治療をしていたのは右手首。まあ何にせよバックハンドでイージーなミスを繰り返すところを見ると何か問題を抱えている風ではあります。
また気がついた点としてはマレーもそうでしたがこの試合でのフェデラーもサーブで錦織のハイバックを狙っていたように思いました。マレー戦ではそれをダウンザラインに決めたりもしていましたが、これはデータとして何かあるんだろうか。まあ実際どんな選手でもハイバックのショットは難易度が高いわけで、それがフェデラーのスピンサーブなら尚更。錦織は対応に苦しんでいました。
自身のバックハンドが不調となるとフェデラーのバックに集める戦略も徹底できず、得意なはずのフォアでも凌駕されてしまう。錦織は組み立てでもってポイントを取るスタイルで成功してきたので、こうなっては打つ手が少なくなります。ラウンドロビンの良いところは一度負けても次があるということなので、彼もあまり無理はしなかったですね。まあ出来なかったんでしょうが。
試合後の握手ではフェデラーが自ら先に手を差し出し力強く錦織の手を握りました。消沈している若者を鼓舞するようでもありましたね。「よくここまで来たな。気合い入れなおせ」と声をかけたかどうかは定かではありませんが、この対決はお互いにとって少なからず感慨を伴うものだったでしょう。
今夜はラオニッチ戦があります。ラウンドロビンでは初戦に勝利した選手が勝ち上がる確率は7割。そしてこのカードはいつも面白い。楽しみです。