次世代

錦織とラオニッチ、彼らの対戦が全米オープンのナイトセッションに組まれたことがまずは大きな出来事でしょう。ここ数年の男子テニスを観ていれば"BIG4"とそれに続く面子による上位の固定化はともすれば新鮮みに欠けていたからですね。そうした状況を変えてくれそうな若手"NewBalls"のトップグループ2人が対戦するカードを重用視した大会側の見識はさすがだと思う。その試合内容も大会側やATPの期待に充分答えたものだったのだから、この対戦は大会を振り返った時に語られるべきものになったはずで、それを錦織は制した。これはとても大きいことです。

錦織に関しては一時の怪我による低迷から復活した時点で確信めいたものがあります。それは彼が数年のうちにグランドスラムで優勝する可能性がとても高いということです。少なくともチャンスは来るでしょう。海外でこそ正当な評価を得ている彼について同じように考えているテニス関係者は多いはずです。"BIG4"は確実に下ってきている。そして"NewBalls"はどうか。「こいつらなら行けるだろう」そう証明した試合がまさにこの対戦だったと思います。

錦織とラオニッチというライバル関係が中心になって世代交代を演じるのだろうな、ということもあらためて予見できる内容でしたね。試合終了が午前2時過ぎ。ベスト8に向けた体力の回復が難しいでしょうが、精神面においてはここからは失う物がないのでリラックスして臨めるのではないかと。GSのセカンドウィークでも楽しませてくれる日本人がいることの幸せを噛み締めつつ‥‥