11人いる

2014 J2 第17節 福岡 vs 千葉(レベスタ)
試合後の指揮官のコメントを読んで驚いた。初めて見解がけっこう重なったからです。

今まで私が指揮を執った中で戦術的にベストな試合ができたと思います。我々は常に良く走り、良く戦い、情熱を持って試合することをチームのスタイルにしています。(中略)特に大きな穴を感じることはなかったと思います。

とりあえず昨季以来、生観戦した中では間違いなくベストだろうなと思いました。もちろん「2点取られても3点取り返す」とか言っていたがそれはどうした、と苦笑させられるわけですけどブレる人なんだとは知れているのでもういいです。このゲームに至る経緯を考えると、いくつかの要因があり、このパフォーマンスは必然でもあるのだろうと思わなくもない。

どういうことかと端的に言えば「現実に目覚めた」ということかと。モヤッとした“攻撃サッカー”と言う名の実りの少ない実験を続けてきたのがプシュニクアビスパ。明らかな問題から目を背けて“長期的な視野で”強化してきたテイでしたが、実際のところは「出来るヤツは出来るし育つ。そうじゃないのは‥」というレベルでしたね。これってコーチングの成果とは言えないでしょう?
で、現実問題として守備に回帰。まあそれはいいです。もともと求められていたレベルのことなんだろうし‥。これは選手たちこそが感じていたことなんだろうと思います。彼らの気付きがなければ絵に描いた餅なのだし、それを表現するには絶好のタイミングだったのでしょう。一部ベテランの不在によって若返ったチームは規律とハードワーク、互助でもって観るものの感情を揺さぶることに。Jの試合を観る上でそれは前提と言っても過言ではないと思いますよ。それがなければお金は払えないのです。

昨日の試合を観ていて感じたのは「11人いる!」ということ。正直言って今までは11未満という印象でした。局面での数的有利とか言いますが、アビスパに関しては全体で数的不利をここ数年やっていたと思います。いやたまに11人になることもありましたが、年に数回でしかも片手で数えられるようであっては話にならない。そして何故この試合でそれが出来たのかと言うと、それについては過去のエントリーを読み返してもらえればわかるかと思いますので。
とまれ、この試合は特に守備面での数合わせに無理がなかったのがよかった。ネガトラであったり逆サイドのマーキングだったりで穴を小さくできていました。結果として今の千葉に対してはあれで効果があったということですね。アリバイじゃないから効いていましたし、11人でそれを共有していた感じが受け取れました。ちょっと運が味方した気もしますが、ケンペスへの対処など集中していましたよね。そういう集中が攻撃にも反映されてのあの金森のゴールだったんだとも思います。あのカタチはウチがやられていたパターンだったのを、失敗から学んだのかというようにも見えました。

正直、3バックがどうこうとは思わない。要はチームとしての意図とそれに見合う用兵、そして相手に対してのリアクションの選択が理に適っているいるのかどうか。昨日はうまくいったが、それが続く保証もないしむしろ望みは薄いです‥‥。とりあえず、昨日は観れてよかったです。