うがった見方をすれば

今度のアカデミー二冠も昨年のノーベル三冠(四人)も同じ文脈で語ることが出来ます。つまり世界的な金融危機の中にあって、いまだに多額のキャッシュを貯蓄していると目される“ジャパン”に対して「あなた方の基礎研究や映像制作にそそがれる繊細な情熱に敬意を表します。だからお金を出し続けてくださいね」というメッセージが送られているというね。
もとより日本の素粒子物理学研究は常に世界をリードしてきたし、南部さんに関しては「今さら何だ、ノーベル賞も偉くなったな」と言う向きもあるくらいだ。また戸塚洋二さんがスーパーカミオカンデニュートリノ振動を確認したことは金字塔ともいえる成果だったが、ノーベル賞の選考委員はあえて無視した。さも「いつでもやれるさ」と言わんばかりに。その後の悲報のことを考えると“ノーベル賞”というものが薄っぺらいものに見えてしまうものなのだ。国内のメディアは実にノーテンキで口当たりの良いところしか語らないものですが、ちょっと時系列を遡ればこんなもの。
アカデミーでの「つみきのいえ」への評価は順当とも言えますが(すでに国際的に権威のある賞は獲得していた)、「おくりびと」に関しては下馬評で圧倒的だった“イスラエルの作品”の自滅に助けられたと見た方が自然かも。先のガザ侵攻がストレートにマイナス要因となったはずですよ。そこであえてポジティブにとらえるなら「自らの愚行にとまどった欧米が日本のリーダーシップ(お金。money!)を期待している(促している)」ということが言えるのではないかと。
そこでおそろしいのは、このタイミングで日本の内閣総理大臣が今頃(2/25 0:07)ホワイトハウスに向かっているということでしょう。「オバマ就任後、ホワイトハウスに外国首脳を招いて会談する初の首脳」という餌にくらいついた子羊がどれだけの見返りをするのか‥
すごいシナリオです。