防衛&開幕

内藤対ポンサクは凄かったなあ。お互い手の内を知り尽くした上で、それをお互いが自覚しつつ、なおもあらゆるテクニックを駆使してどうにかして「絶対に勝ってやる」という意思をぶつけ合った。
最終ラウンドの開始ゴングが鳴ると挑戦者からハグを求めてきたシーンは清々しいの一言。そしてその数秒後には内藤の広角フックがポンサクの顔面を襲うのだ。スポーツマンシップと非情さ、理性と本能がありえないバランスで双方成り立っていたんですね。完璧なタイトルマッチだったと思います。
あえてフットボールに例えるなら、引分けは引分けでも0−0のスコアレスでした。なのに、見終わった後の充実感はボクシングの本場アメリカの興行でもそうはないものでしたよ。
ポンサクレックは同級の史上最高のチャンピオンとして君臨していた選手で、極めてオーソドックスなスタイルで卓越した技術を誇る。そして純粋な技量ではやや下に見られがちの内藤ですが、彼のスタイルはこの競技をよく見極めた上での実に高等なものであることを十二分に証明しましたね。解説のオニなんかは中継でよく「変則」であることを強調していましたが、それがどれだけ得難いものであるかを言及しなかった。彼をただ変則と言うのであれば、あの愚にもつかないピーカブーの亀スタイルは変則以下の異形でしかないんだよね。
「今はボクシングのボの字も考えたくない」とは試合後の内藤の弁ですが、それだけ追い込める33歳はちょっといない。
その後で観たドイツでの日本人対決は、試合自体は対したものじゃなかった。ブンデスの中位どうしの試合でしかなかった。そして
Jの開幕はそれ以下かな。
ついでに言うと、今季のF・マリノスはやりそうだし、浦和はダメでしょう。浦和はモラルが低下しているし、それを上げるには今季の補強を否定するしかない、と見ます。あのチームはどちらかと言えば不器用で保守的なチームですから。
そしてF・マリノスは山瀬がイメージリーダーとなってガンバや鹿島と優勝争いをする、というのが今季のJ1ではないかと思います。
真の開幕は次節ですね。