それは07-08シーズン開幕戦の前半30分過ぎのことだった。ヘタフェの攻撃をやり過ごしたセビージャの選手がペナルティエリア内でゆっくりと倒れ込んでいった‥
はじめは接触でもあったかという程度の印象でしかなかったのが、チームメイトが駆け寄って気道を確保しようとしているシーンがアップになり事態の深刻さを知った。それでもチームドクターの迅速な対応で起き上がったその選手の表情をみてホッとしていたのに‥
この際の周りの素早い反応には理由があったことがわかった。
彼は昨年、親善試合の最中に気を失ったことがあり、また一ヶ月程前にも練習中にめまいを起こしている。だがいずれの件も、その後の精密検査では何の異常も見つからなかった。そのため今回も、ここまで事が重大になるとは誰も思っていなかったようだ。
セビージャは退場で一人少ないヘタフェを圧倒し、その充実した内容を観るにつけ、いよいよリーガタイトルorビッグイヤー獲得への期待も高まったが、この悲劇を乗り越えていけるのだろうか‥。いや今はただ彼の冥福を祈るのみです。アントニオ・プエルタ・ペレス、享年22才。
