エトーの瞬間的な速さ、そしてロニーの超絶テクニックがブランコの誇りを徹底的に打ち砕いたのは、昨年の11月のことだった。もうあれから一年経ったのか。
ミッドウィーク開催のCLで明暗が分かれた両雄だが、だからといって両者の差が縮まっているようには感じられない‥。したがってバルサ優勢であることは論を待たない。それほど好ゲームを期待できないのだけど、やっぱりどこかで疼くものがあるんだよなあ‥
さて、エトーがいないからといって今のところ綻びを見せていないバルサに対して、マドリーはというと、
バルサ戦のスタメン予想は、カシージャス、セルヒオ・ラモス、エルゲラ、カンナバーロ、ロベルト・カルロス、ディアラ、エメルソン、ラウル、グティ、ロビーニョ、ファン・ニステルローイとなりそうだ。という感じで、現時点ではベストだろう。敢えて言うなら右SBがシシーニョ、サルガドを故障で欠く為、セルヒオ・ラモスが回って、復帰したエルゲラがカンナバーロとセンターに入っているくらい。
セルヒオ・ラモス、エルゲラとくれば、すぐに昨年のことを思い出すねえ。二人は思い出したくもないだろうが、あれは忘れられないだろう。彼らは自陣の右サイド、つまりロニーの対面になるので、ここは面白い。
ところで、実は今のマドリーで最も不安視しているのはエメルソンのパフォーマンスだ。走力で往時のレベルにないのは無理も無いとして、より問題なのはオン・ザ・ボールでの「遅さ」だろう。カルチョをほとんど見なくなって久しい僕には、ASローマ時代の彼のセンスが衰えてしまっているように見えるのだ。正直、ディアラとのデュオはあまりに平凡で、マドリーに相応しいとは思えない。期待していただけにね。今後パフォーマンスは上がるのか、それとも‥
なんにせよ、マドリー側にもっと頑張ってもらわないとスペインリーグに華がなくなる。せっかく他のチーム(バレンシア、アトレティコ、セルタなど)が良くなって、「ここ数年では最高のレベル」が感じられているというのに。
病めるマドリーに必要なのは、ただ勝ち続けることだろう。その結果だけがバラバラになりがちなチームを高揚感の下にまとめるのだ。