熱狂の影で−2

杉山がヒンギス相手にアップセット‥‥ドイツーアルゼンチンは予想通りのタフな内容で、100%そちらに集中していたが、その影で杉山がやった快挙。どうあっても見れなかった間の悪さを惜しむものの、まだ次があるのだから、それはぜひ見たいと思う。
杉山のウィンブルドンでのキャリアハイは8強。チャレンジする気持ちが続けば、さらなる快挙も‥
  
さて、話はドイツへ。
アルゼンチンにスーバー・ゴイコがいたら‥と思ってしまったPK戦の顛末は、ホームの圧倒的な雰囲気の後押しとGKの力量の差が明暗を分けた、というところか。これで依然くすぶっていた「カーン待望論」は鎮火され、完全な正GKとして君臨することになるレーマンが自国をファイナルまで導くことだろう‥‥(ドイツとイタリアのどちらにも思い入れはないが、ドイツが残った方が盛り上がるのは言うまでもない)
  
そして、このゲームの中でどんどん引き寄せられた選手がいた。テベスだ。
正直、これまでのプレーぶりは
「イマイチでメッシほどの突破力も無い、アルゼンチン代表としては物足りない半端なFW」
として映った。
ところがフィジカルに勝るように見えるドイツのDFを相手に、ポスト役としてボールが収まるし、2人くらい相手にしても簡単には奪われないキープ力。そのテベスに引きつけられて出来たDFラインのギャップにリケルメが飛び込むなど、実効性を伴ったプレーはまさに「攻撃の軸」とも言えるものだったよ。
  
PKでミスをしたアジャラにしてもカンビアッソにしても、ゲームの中では素晴らしいプレーであったのだから、誰にも責められるものではないでしょう。やはりGKの交代が痛かったし、交代枠がもう1枠あれば、メッシがヒーローになったかも。残念ではあるけど、どちらが勝っても納得できる好ゲームだったね。
  
それにしても総じてロースコアが多いし(イタリアーウクライナは純粋にチーム力の差でしょう)、強烈な守備力が絶対条件であるような雰囲気が漂う中、それを打ち崩すとしたらやはりあそこしかないんだろうな。さてどうなるか‥‥