フレンチ・オープン DAY12

クズネツォワの逆転は驚きだったが、エナンの完勝にはもっと驚いた。
対戦後のクライシュテルスをして「クレーでのベストプレイヤー」と言わしめるだけのプレーは、ちょっと「暴力的」ですらある。
  
相変わらずの強打(持ち味だからね)を貫こうとするクライシュテルスを見るにつけ、己のスタイルにこだわる意地を感じたが、その強打がコーナーに決まっても、ほとんど完璧に返し続けるエナン‥‥凄すぎる。
エナンについて語られる時、その精神をまず賞賛されることが多いのだけど、このゲームについて印象深かったのは、そのフットワークだった。読み、反応、判断、体の置き方・止め方‥‥澱みが無く、迷いも無駄も無い。
このレベルでは紙一重の差が大きく作用するように感じているのだけど、その僅かな差をコート上で顕在化させることが出来たことで、事実上の決勝と見たこの対戦は正味36分で決着した。
  
何が起こるかわからないのが勝負の世界だろうが、ファイナルの主導権を握るのがエナンであることに疑いの余地はないね。

より単純にエナンの好調ぶりの要因を解くなら、サーブの力量そのものが向上していることを挙げたい
 
そして錦織は残念だった。ただ、まだジュニアの選手で、まだ何も成し遂げてはいないのだから、そっとしておきたいものなのだが、お偉い人などが群がりつつあるのはみっともない。協会にすれば「人寄せパンダ」候補に見えるのかもしれないが、手前の都合しか考えない連中に振り回されることのないように、周りの大人が守ってやらないとね。
http://tennisjp.cocolog-nifty.com/tennis/2006/06/_4__5bd1.html
  
そして彼の成長を見守っている(つもりの)修造くんの、彼に対する「反省点」がウケる。ちょっと心配‥‥。