LDの一連の騒動については、朝令暮改のメディア報道に振り回されたくないから、しばらくは静観しておくのがいいと思っている。
ただ、今日読んだ以下の記事(1/30付)は、「表側」をよくまとめたものだと思った。
キャピタリスタは、今回逮捕されたライブドアの宮内亮治前取締役がIPO直後に設立した子会社である。宮内前取締役に加え、同じく逮捕された中村長也・ライブドアファイナンス社長、強制捜査の直後に自殺した野口英昭エイチ・エス証券副社長らが、初期のライブドアのファイナンス部門を担った立役者だったのである。
彼らの活躍によってポータルビジネスを立ち上げる土壌ができあがり、オン・ザ・エッヂは2003年末、買収した無料ISPライブドアの知名度を利用するかたちでポータルビジネスをスタートさせた。
http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000050150,20095450,00.htm
しかし、ポータルビジネスの難しさは、ページビューと売上高が直結しないところにある。私の取材に応じたあるライブドア関係者は「ポータルなどの B2C事業では、顧客に対する価値の提供と代価がイコールにならない。無料サービスがある程度は求められている以上、価値を認められてページビューが向上しても、決して収益には結びつかない。なんとかして顧客を集め、集まった段階で少しずつ黒字化していこうという戦術を立てることになるが、これはある意味でかなり自転車操業になる」と説明している。
(中略)
しかし、堀江前社長がじっくりとことを構えられないもうひとつの要因が、ライブドアの組織の中にはあった。メディア事業部がそうやって苦闘していた一方で、宮内前取締役が率いていたファイナンス事業部は、ライブドア証券の買収などによって飛躍的に売上を伸ばしていたからである。たとえば2004年の決算だけを見ても、同年第1四半期には全体の30%しかなかったファイナンス事業部の売上は、同年第4四半期には全体の60パーセントを占めるまでになっている。
http://japan.cnet.com/column/pers/story/0,2000050150,20095450-2,00.htm
裏側ばかり見ていても、この騒動の顛末は分からない。こうしたLDの事業の評価(金の行方などではなく)は既存のマスメディアでは語られることはないんだよね。まあ、こういう時系列に沿った記事を見ても、多くの人には全く身近に考えられないだろうから、仕方ないか。
LDからは人材の流出が止まらない一方で、残っている優秀な技術者を慕って、新たに入社するものもいるという(周囲の反対を押し切って)。LDの技術者を引き抜いた同業他社は、それまでLDがやろうとしてきたものを引き継ぐようなカタチで、遅れをとっていた分野に進出する腹積もりか。
はっきりいって、ポータルとしては評価していないが、その中で「これから」を感じさせる新事業はいくつかある。この企業グループの悪い方の転回点は2004年初頭だったということだが、もし、良い方の転回点がくるとすれば、そうした新事業の中の一つ、広域無線LANの普及かもしれないな。米国ではすでにサンフランシスコ市全域をカバーするという提案がGoogleによって出されている。ユビキタス時代が社会構造にどうした変化をもたらすのかは興味深いね。意外と変わらなかったりするものだけどね。特にこの国においては。