ミュンヘン

昨日、『ミュンヘン』を見た。
国家という機構の前に、真実すら意味を成さない有様を見るにつけ、ふと今のこの国の状況を考えた。もちろん、この作品のテーマ性は、一国の政治にとどまらない。見る者の立場や人種、主義の違いによって様々な受け取られ方をするんだろう。
米国で物議を醸していることを聞き、また「スピルバーグ―宇宙と戦争の間」を読んだ後では、この作品そのものだけでなく、この希代の映像作家が何を見せようとしているのか、に興味がいく。
彼の出自のこともあるが、おそろしくデリケートな問題に挑み、そして誰も大声では言わないようなことを「事実に基づいたフィクション」の名の下に、観客に投げかける。
僕には、この作品は誰の側にも立っていないように見えたが、それも見る者によって変わるだろう。
そして、主人公が最後に守ろうとしたものが家族だったというのは、映画的だよな。
  
こちらのドキュメントも見てみたいと思う。
http://www.wowow.co.jp/schedule/ghtml/016147001V1.html
  
この作品に、あの事件の犠牲者の息子が出演していたとは。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060125