2つのファイナル

ピアースは全仏に続き、今回もファイナルで完敗してしまった。妙なドローの運も手伝ってか、年間で2度もグランドスラム大会の決勝に進んだものの、それまでの勝ち上がりが嘘のように、決勝では2人のベルギー娘にやられてしまった。(昨年のデメンティエワと同じ‥‥)
今のクライシュテルスならグランドスラムタイトルの資格充分だと思っていたし、予想通りとなってしまった今大会(男女とも)で、とにかくプレーで印象深いのはブレイクだった。それでもあのスイス人には及ばなかっただろうが‥‥。
男子決勝の後で貴男くんが「誰がフェデレを止めるか?」という難しい問いについてコメントしていたが、その答えはこんな感じだ。
  
・対戦回数が少ない(苦手意識がない)
・ベストのプレーをしなければならない
・自分のプレースタイルを貫く
  
‥‥とにかく厳しい。世界中見渡しても、あれほど「圧倒的なまでの王者」というのはプロスポーツの中では希有な存在だ。かつてサンプラスが言われていたように、「大会参加プレーヤーの中に宇宙人が一人混ざっている」という趣き。
そしてその王者に今年苦杯を舐めさせた(死闘の末)勇者が二人いたという事実が、男子テニスを面白くしている。しかし、あの二人がいなければ、あのパフォーマンスがなければ、今季、遂に金字塔が建てられていたに違いない。