CL FINAL

レッズの魂

レッズが勝ったのは嬉しい。でも試合を観終わったあとでもどうしてレッズが勝ったのかはわからない。
悲しいかな、「勝った」という結果のみが分かってしまった後での観戦となったので、ワクワク感はかなり削がれたが、前半の展開をみるにつけ、俄然興味が湧いてきた。ここからどうやったら勝てるんだ? と。
  
およそ大味な展開と言える前半での0-3。それでもこのペースでミランはどこまでいくのだろうかと、点差が開きながらも、あまりのオーバーペース(に見えた)をいぶかしんでいた。果たして後半、ミランの守備がゆるくなったのは明らかで、それはオーバーペースを自覚したというよりも、むしろ危機感の欠如に由来しているように感じられた。まだバテるには早すぎる。
そこへジェラードのよくコントロールされたスーパーなヘディングシュートがミランゴールを陥れる。チームリーダーのこのゴールは大いに勢いづけることになったが、この時点では誰もが思っただろう。「これでミランは気を引き締めるだろう」と。しかし、意外なことにあのイタリアのクラブは浮き足立った。落ち着かせようとするミランの選手に対して、怒号のようなリバプールサポーターの歓声。そこからの6分は夢を見ているような気分だった。そうなることがわかっていてもなお、信じられないものを見た気分だった。
やはり、そう思わせるのは「あのミランが」という思いなのだけど、そのミランをもってしても、このゲームをとりまく状況というのは異質なものだったということだろう。
次の1点が決める、という空気が漂ってくるとゲームは一気に停滞したが、よくあることだ。それでも延長後半のシェフチェンコのシュートは「決まった!」と思った。入るはずのシュートが入らなかったのはただ不運という他はないでしょう。そういう類いの状況だった。
このゲームを締めくくるのはPK戦がふさわしい、とさえ思った。そしてレッズが勝った。どうして勝てたのか、どうしてミランは負けたのか、それはよくわからない。不思議なゲームだが、凄いゲームだった。
  
例えは悪いけど、野球でノースリーから三振くらったような、そんな気分に近いだろうと思う。ミランは。
  
こういうゲームだから採点も微妙な感じがする。
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/headlines/20050526-00000025-spnavi-spo.html