森田とアビスパ

土曜日の東平尾は豪華(?)だった。
テニスのセンターコートでは福岡国際女子テニスの準決勝が行われ、博多の森では福岡ー山形が行われた。無謀にも両方見ようとして、どちらも半端な見方になってしまったが。
とはいえ、進境著しい中村藍子と、史上最年少プロの森田あゆみの対戦がここ福岡で見られるとは嬉しい限り。その割に驚くほどギャラリーは少なかったけど。そして悲しいかな、普段レベルの高い対戦を直に見ることの無い当地のファンは、いいプレーを目の当たりにしてただ感嘆するにとどまり、ムードを盛り上げるまでには至らなかった。いいプレーには大いに拍手と歓声を、悪いプレーには愛情を込めてブーイングを、これがプロスポーツのあり方でしょう。そういう意味で、その後に行った博多の森の心地よさといったら。
  
さて、図らずも好カードとなった中村ー森田のゲームはまさに伯仲したものだった。年齢差はあえて言う勿れ。二人は同じ土俵にたっているプロなのだから。
たった一回の対戦を見ただけのことなのだが、この日においてはまったく二人の実力差を感じなかった。いや、むしろ先輩格の中村にこそナーバスさが見え隠れしていて、リード、チャンスがあってもそれを活かせない、流れをつかみきれないように見えた。逆に言えばそうさせているのは他ならぬ森田であり、まったくもって末恐ろしいという印象。おそらくは経験が少ない故の図太さ、怖いもの知らずさ加減がいい方向に向いているのだと思う。
これこそが大事で、この年齢から多くの成功体験を積み重ねることで「勝者のメンタリティ」を築きあげ、やがては世界のトップに食いこんでほしいものだ。技術的には、同じ系統のショットに対して同じようなミスを続けていたことからも、まだまだ感はあり、世界レベルではまだパワー面も足りない。ただ、全豪のジュニアでベスト16に進んだテニスを目の当たりにして、そのけして大きくはない身体に秘められた可能性を強く感じた。残念ながら翌日の決勝ではストレート負けしたものの、今はまだ勝ち負けにのみ汲々とする段階でもないだろう。これからが楽しみだ。
http://www.nikkansports.com/ns/sports/p-sp-tp0-050515-0006.html
  
そしてアビスパ
途中から見る羽目になったけど、ホームらしく攻めていたことをとにかく評価したい。チャンスは多くあった。ただし有光の頭と太田の足下では‥‥。逆だろ。いや、案外相手にとっては盲点なのかもしれないが、とにかくシュートまでのイメージが足りないというか、もっと遊び心も必要じゃないか?
太田のミドルとか、ホベルトと有光のワンツーとか。身びいきではなく、組織力で言ったら福岡はJ2随一だと言ってしまおう。でも、まだ足りないんだと思う。よく走り、高い位置でのボール奪取、そしてサイドを攻め落とすスタイルは、見ていても納得のいくものだ。だから、それをいいレベルで遂行したこのゲームを評価出来る。でも点が取れない、それはまだ足りないから。得点の為の組織力が。
実際、福岡の得点の傾向では速攻はあまり見られないし、セットプレーも然り。ゲームの中で探り探りやってるようで、普段どういう練習をしているのかが気になる。
が、目指すべき「いいカタチ」が現在の延長線上にあることは間違いないと思う。京都も負けたことだし、まだまだこれから。
  
しかし、そろそろ誠史やアレックスの得点が見たいものだ。